ダウ反落569ドル安、ナスダック今年3番目の下落率

 
28日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比569ドル38セント安の3万4299ドル99セントで終えた。
前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げ開始の想定時期が前倒しされたことなどを背景に、長期金利の指標である10年物米国債利回りは上昇基調を継続。割高感が意識されたハイテク株を中心に売りが広がった。
 
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による上院銀行委員会での証言が注目される中、株価は下げ幅を拡大。パウエル氏は質疑応答で、利上げ開始の基準について、テーパリング(量的緩和縮小)着手よりも「大幅に高い」との見解を示す一方、インフレ動向に関しては「一部で一段と悪化した」と述べた。
 
28日の米債券市場で長期金利が一時1.56%と前日終値(1.48%)から大きく上昇した。FOMCの結果が発表された22日以降、長期金利はほぼ一本調子で上昇している。急速な金利上昇を警戒した主力ハイテク株への売りが相場の重荷となった。ソフトウエアのマイクロソフトが4%近く下げ、顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコムとスマートフォンのアップルも売られた。
 
米上院共和党は27日、12月までのつなぎ予算と2022年12月まで米連邦政府の債務上限の適用を凍結する措置を一体化した法案の上院本会議での採決を阻止した。10月以降の財源が確保できず、米連邦政府の閉鎖やデフォルト(債務不履行)の可能性が意識された。投資家心理が悪化し、幅広い銘柄に持ち高調整や利益確定を目的とした売りが広がった。ダウ平均の下げ幅は午後に600ドルを超えた。
 
米商務長官が「中国政府は自国の航空会社による米国産の航空機の購入を阻止している」と述べたと28日に伝わったのを嫌気し、航空機のボーイングが売られた。金融のゴールドマン・サックスやホームセンターのホーム・デポも下げた。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比423.287ポイント(2.8%)安の1万4546.683と8月19日以来の安値で終えた。下落率は今年3番目の大きさ。主力株は軒並み下げ、ネット検索のアルファベットとフェイスブックが4%安。
 
半導体関連株の下げが目立ち、アナリストが投資判断を引き下げた半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)は7%安。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は6%安、エヌビディアは4%安などとなった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,299.99-569.38
S&P500種
4,352.63-90.48
ナスダック
14,546.683-423.287
NY金(ドル/トロイオンス)
1,737.50-14.50
NY原油(ドル/バレル)
74.39-0.90
円・ドル
111.51 – 111.52+0.27
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

28日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比535円安の2万9520円で引け、28日の大取終値を400円下回った。
28日の米株式市場で米長期金利の上昇を手掛かりにハイテク銘柄を中心に売りが広がった。ダウ工業株30種平均など主要株価指数が大幅に下げ、日経平均先物に売りが波及した。
 

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
29520 ( -400 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
29585 ( -335 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7028.10(-35.30)
28日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ35.30ポイント安の7028.10で引けた。中国の景気回復の鈍化に対する懸念が広がり、株式相場を圧迫した。米投資銀行ゴールドマン・サックスが中国の成長見通しを下方修正したことなどがきっかけだった。医薬品株を中心に売りが広がり、構成銘柄の8割超が下落した。
 
個別銘柄では、産業用ソフトウエアのアヴィバグループが安かった。米株市場でのハイテク株の売りが波及した。アナリストが投資判断を引き下げたソフトウエア開発のセージ・グループも安かった。
半面、石油株は上げた。自動車・航空部品のスミス・グループは、決算内容を好感した買いで高くなった。原油高を背景に石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株(2.8%高)、B株(2.3%高)ともに堅調だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15248.56(-325.32)
28日のドイツ株式指数(DAX)は大幅に反落した。終値は前日と比べて325.32ポイント安の1万5248.56だった。
米株安に歩調を合わせ、ドイツ株も午後にかけて売りが広がった。中国の景気鈍化に対する懸念も相場の下げ圧力になった。
 
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズが大幅安で引けた。米株市場のハイテク株安に連れ安した。スポーツ用品のアディダスとプーマも下げた。同業大手の米ナイキ株の急落を嫌気した。素材メーカーのコベストロなど数銘柄は上昇した。自動車のBMWは横ばいだった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6506.50(-144.41)
フランスの株価指数CAC40は2%超安となった。

 

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