ダウ反落413ドル安、長期金利上昇で

11日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比413ドル04セント(1.2%)安の3万4308ドル08セントで終えた。
米長期金利が上昇し、相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に売りが膨らんだ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中国の景気減速を警戒した売りも出て、ダウ平均は取引終了にかけ下げ幅を広げる展開だった。
 
原油相場の下落を嫌気し、エネルギー株が大きく売られた。米原油先物は、中国での新型コロナウイルス感染拡大に伴ってエネルギー需要が減るとの見方や、ドル相場上昇による割高感から売りがかさみ、約1カ月半ぶりの安値を付けた。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを加速させる姿勢を示していることを受けて、米長期金利が上昇。長期金利の指標となる10年物米国債利回りはこの日、2019年1月以来の高水準となる2.79%まで上昇した。これに伴い、投資妙味が薄れたハイテク株などの成長株が売りにさらされた。
 
長期金利の上昇で、バリュエーション(投資尺度)面の割高感が増すとみた売りがハイテク株に出た。ソフトウエアのマイクロソフトが4%安、スマートフォンのアップルが3%安となった。ダウ平均の構成銘柄以外では、検索サイトのアルファベットや電気自動車のテスラの下げが目立った。アナリストが投資判断を引き下げた画像処理半導体のエヌビディアは5%安だった。
 
金利上昇が消費に影響するとの見方からクレジットカードのアメリカン・エキスプレスは3%下げた。小売りのウォルマート、ホームセンターのホーム・デポといった消費関連株も安い。
 
中国の上海市などでは都市封鎖(ロックダウン)が続き、全面的な解除には時間がかかるとみられている。同国の景気懸念や世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱を警戒した売りも出た。スポーツ用品のナイキと映画・娯楽のウォルト・ディズニーが安い。原油需要の減少につながるとみて、米原油先物相場は一時期近物として2月下旬以来の安値を付けた。石油のシェブロンは3%安となった。
 
足元で上げが目立っていたディフェンシブ株の一角も利益確定売りに押された。医療保険のユナイテッドヘルス・グループや医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が安い。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前週末比299.040ポイント(2.2%)安の1万3411.956で終えた。約1カ月ぶりの安値となった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,308.08-413.04
S&P500種
4,412.53-75.75
ナスダック
13,411.956-299.040
FTウィルシャー5000
44,879.17-760.10
NY金(ドル/トロイオンス)
1,948.20+2.60
NY原油(ドル/バレル)
95.20+0.91
円・ドル
125.41 – 125.43+0.17
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

11日のシカゴ日経平均先物は続落した。6月物は前週末比260円安の2万6730円で引け、11日の大取終値を90円下回った。この日の米株式市場では、消費者物価指数(CPI)の発表や金融決算控え、警戒感から寄り付き後、下落した。中国で新型コロナ感染拡大による都市封鎖が継続していることなどがさらなる景気やインフレ懸念に繋がり終日軟調推移となった。
米長期金利の上昇を背景にハイテク株を中心に売りが強まり、日経平均先物もつれ安となった。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26730 ( -90 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26775 ( -45 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7618.31(-51.25)
11日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前週末に比べ51.25ポイント(0.67%)安の7618.31で引けた。原油など商品相場の下落で、エネルギー株や資源株に売りが出た。
FTSEの個別銘柄を見ると、英保険大手プルーデンシャルが3.9%の大幅安。英石油大手BPも1.2%安とさえなかった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14192.78(-90.89)
11日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前週末比90.89ポイント(0.64%)安の1万4192.78で終えた。欧州中央銀行(ECB)の金融政策の正常化が前倒しされるとの観測からドイツ国債の利回りが上昇し、ハイテクや不動産など金利敏感株に売りが出た。
DAXでは独スポーツ用品大手プーマが4.2%安と軟調だった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6555.81(+7.59)
フランスCAC40種指数は0.12%高だった。
仏大統領選は10日の第1回投票で、現職のマクロン氏とルペン氏が決選投票に進んだ。大方の予想通りだったものの、マクロン氏の得票率が堅調だったことで仏株式は買い戻された。CACでは、ロシア事業の売却を発表した仏金融大手ソシエテ・ジェネラルが5.0%高と買われた。
 

 

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