7日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比398ドル51セント(0.9%)安の4万1954ドル24セントで終えた。
堅調な雇用情勢に加え、中東情勢の緊迫化やハリケーン発生による原油先物相場が上昇したことを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が11月の金融政策会合で大幅な利下げを見送るとの観測が強まった。米長期金利が約2カ月ぶりに4%台を付けたことで、ハイテク株など幅広い銘柄に売りが出た。
原油相場上昇でインフレ再燃リスクも浮上する中、引けに掛けては「米経済の底堅さ」(市場参加者)が意識され、ダウの下げ幅は縮まった。
前週末発表の9月の米雇用統計が市場予想を上回る内容となり、労働市場の底堅さを示した。FRBが次回11月会合での利下げ幅を前回の0.5%から0.25%に縮小するとの観測が急速に広がっている。
市場では、金利の上昇について「FRBの前回の利下げが積極的すぎたという警告かもしれない」との指摘があった。
イスラエルがイランのミサイル攻撃に対する報復に動くとの観測は根強く、中東情勢が一段と緊迫するとの見方も主力株への売りを促した。周辺地域からの原油供給に悪影響が生じかねないとの観測から米原油先物相場は7日に大幅高となった。幅広い製品の原燃料になる原油の値上がりが米国のインフレ圧力を強めるとの懸念も相場の重荷だった。
大型のハリケーンが米南部フロリダ州に接近しており、被害が警戒されている。保険のトラベラーズのほか、同州でテーマパークを運営するウォルト・ディズニーが売られ、ダウ平均を下押した。
個別ではそのほか、アナリストが投資判断を引き下げたアマゾン・ドット・コムとアップルが売られた。ナイキやウォルマートも下落した。半面、ボーイングとIBMは上昇した。
ナスダック総合株価指数は反落した。前週末比213.945ポイント(1.17%)安の1万7923.904で終えた。テスラやアルファベットが下落した。一方、エヌビディアは上昇した。
NYダウ 41954.24 ( -398.51 )
S&P500 5695.94 ( -55.13 )
NASDAQ 17923.90 ( -213.95 )
米10年債利回り 4.027 ( +0.061 )
S&P500 5695.94 ( -55.13 )
NASDAQ 17923.90 ( -213.95 )
米10年債利回り 4.027 ( +0.061 )
NY(WTI)原油 77.14 ( +2.76 )
NY金 2666.0 ( -1.8 )
VIX指数 22.64 ( +3.43 )
【シカゴ日本株先物概況】
7日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前週末比710円安の3万8915円で終えた。
NYダウ平均は、米長期金利の上昇が圧迫要因となり、反落した。
この日は米長期金利の上昇で相対的な割高感が意識されて米株式相場が下げ、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38915 ( -455 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39085 ( -285 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
7日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前週末比22.99ポイント(0.27%)高の8303.62で終えた。中東情勢が一段と悪化すれば原油の供給にも悪影響が及びかねないとの警戒感が根強い。原油先物価格が上昇し、英シェルやBPといったエネルギー株が買われた。
国際指標のひとつである北海ブレント原油先物(12月物)は7日に一時1バレル80ドル台と、8月下旬以来の高値を付けた。
FTSEの構成銘柄では、金融大手ナットウエストが3.45%高、石油大手シェルが2.35%高、医療機器のコンバテックが2.08%高と相場をけん引。一方、産金大手エンデバー・マイニングは5.63%安、住宅大手バラット・デベロップメンツは3.30%安、医療機器のスミス・アンド・ネフューは3.17%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
7日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に反落し、前週末比16.83ポイント(0.08%)安の1万9104.10で終えた。中東情勢の悪化懸念は投資家心理の重荷となる半面、中国が国慶節(建国記念日)に伴う連休明けに追加の景気刺激策を発表するとの観測が支えとなった。
個別では、コメルツ銀行が2.04%高、高級車メーカーのポルシェが1.31%高、ドイツ銀行が1.20%高と買われた半面、ミュンヘン再保険は2.69%安、防衛大手ラインメタルは2.65%安、ハノーバー再保険は2.63%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は続伸し、前週末比0.45%高で終えた。高級ブランド「グッチ」を抱える仏ケリングの上昇が目立つなど消費関連が買われた。
銀行や、石油大手トタルエナジーズが上げた。一方でコンサルティング会社のキャップジェミニ、不動産投資信託(REIT)が下落した。
