ダウ反落373ドル安、ジャクソンホール会議への警戒感

24日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比373ドル56セント(1.1%)安の3万4099ドル42セントと7月10日以来およそ1カ月半ぶり安値で終えた。

米西部ワイオミング州で24~26日にかけ米カンザスシティー連邦準備銀行主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開かれており、パウエル氏は25日に講演する。今後の金融政策の方向性を示唆する発言が出ることへの警戒感から、市場ではいったん株を手放す動きが広がった。
この日発表された経済指標で米労働市場の底堅さが示され、長期金利が上昇したことも株式市場の重荷になった。ハイテクや半導体関連を中心に幅広い銘柄が下落した。

FRBが急ピッチで利上げを進めた後でも、米経済は底堅さを保っている。物価上昇は落ち着く方向にあるものの、パウエルFRB議長が25日の講演で、金融引き締めに積極的なタカ派的な発言をするとの見方は根強い。ボストン連銀のコリンズ総裁が24日の米メディアのインタビューで、一段の利上げの可能性に言及した。

週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、労働市場の需給が引き締まっているとの受け止めが広がった。FRBがタカ派に傾斜することへの警戒も重なって、24日の米債券市場では前日に急低下した長期金利が上昇。「株式の相対的な割高感が改めて意識された」との見方があった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体のエヌビディアは小幅高で終えた。前日夕に発表した2023年5~7月期決算では、売上高と1株利益が市場予想を上回り、8~10月期見通しも市場の想定を超えた。朝方には7%高となり、人工知能(AI)や半導体に関連する銘柄を中心に買いが入り、相場全体を押し上げる場面があった。ダウ平均も午前に上げ幅が一時200ドルを超えた。

ただ、ハイテク株は週初から上昇が目立っていた。次第に持ち高調整の売りが優勢となり、ハイテク株全般が下落に転じた。エヌビディアも上げ幅を次第に縮小した。

航空機のボーイングが大幅安。航空機部品の不具合が発覚し、機体納入に影響するとの懸念から売られた。スマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフト、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなども下げた。一方、保険のトラベラーズと化学のダウが買われた。

ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日比257.061ポイント(1.9%)安の1万3463.972で終えた。電気自動車のテスラ、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなどが下落した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

24日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比305円安の3万1690円で引けた。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が翌日に行う講演を警戒して手じまい売りが優勢になり、反落した。
米金融引き締め長期化への警戒感から同日の米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが優勢だった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
31690 ( -530 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
31700 ( -520 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7333.63(+13.10)

24日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日に比べ13.1ポイント(0.18%)高い7333.63で引けた。外国為替市場でポンド安が進み、英国外の売上高比率が高い銘柄を中心に買いが入った。日用品のユニリーバや製薬のグラクソ・スミスクラインの上昇が目立った。

FTSEの構成銘柄では、連日売り込まれていた小売り大手JDスポーツ・ファッションが5.07%高と急反発。オンライン食品販売大手オカド・グループは1.76%高、医療機器のコンバテックも1.68%高と買われた。
一方、保険大手アビバは2.57%安、再保険大手リーガル・アンド・ゼネラルは2.55%安、包装資材大手モンディは1.80%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15621.49(-106.92)

24日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前日比106.92ポイント(0.68%)安の1万5621.49で終えた。ユーロ圏の景気減速懸念が根強く、売りが優勢だった。自動車のフォルクスワーゲンや重電のシーメンスが売られた。

23日に米半導体大手エヌビディアが好決算を発表したことを受け欧州市場でも午前はハイテク株を中心に買いが目立ったが、上昇の勢いは続かなかった。

個別では、商用車大手ダイムラー・トラックが3.34%安、半導体大手インフィニオンが2.49%安、業務用ソフトウエア大手SAPが2.22%安。半面、素材化学大手コベストロは3.53%高、香料大手シムライズは1.89%高、ハノーバー再保険は1.32%高で引けた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7214.46(-32.16)

フランスCAC40種指数は0.44%安だった。
欧州市場でも半導体株が買われたが、その後は利益確定の売りに沈んだ。米ジャクソンホールでのラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を翌日に控え、神経質な商いとなった。

 

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