ダウ反落37ドル安、利益確定売り

28日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比37ドル83セント(0.1%)安の3万2394ドル25セントで終えた。

経営破綻した米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)の事業を巡っては、ファースト・シチズンズ銀行が継承することが決まった。金融システム不安の深刻化に対する懸念が後退してリスク回避の動きが弱まり、午前のダウは強含みの展開となった。景気敏感株を中心に買いが入り、ダウ平均は午前に120ドル近く上げる場面があった。
ただ、足元で上昇していたハイテク株やディフェンシブ株への売りが重荷となり、下げに転じて終えた。前週末にかけて急低下していた米国債利回りの上昇も嫌気された。

買いの勢いは続かず、ダウ平均は午後に130ドルあまり下げる場面があった。前週末に3%台前半に低下していた米長期金利が一時、3.57%を付け、政策金利の影響を受けやすい2年債利回りも前週末の3%台後半から4%台に水準を切り上げている。足元の米景気は底堅く、依然としてインフレも高止まりしている。FRBの利上げ打ち止めや利下げへの転換が遠のくことを懸念する声があった。

ダウ平均では医療保険のユナイテッドヘルス・グループなど業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ株の下げが目立った。一部投資家が、金融株や景気敏感株を売ってハイテク株に資金を移していた前週までの動きを巻き戻したといい、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトなども売られた。

投資家心理の好転を映し、ダウ平均の値動きは今週に入って落ち着いている。高値と安値の差である値幅は255ドルと前週の平均(約500ドル)から縮小した。米株の変動性指数(VIX)も不安心理が高まった状態とされる20を小幅に下回った。

ナスダック総合株価指数は続落し、前日比52.755ポイント(0.4%)安の1万1716.081で終えた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

28日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比95円安の2万7230円で引けた。
米長期金利の上昇でハイテク株を中心に米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが優勢だった。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27230 ( -60 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27295 ( +5 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7484.25(+12.48)

28日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ12.48ポイント(0.17%)高の7484.25で取引を終えた。金融システム不安がひとまず落ち着く方向にあるとの期待から、投資家が運用リスクを回避する姿勢をやや後退させた。原油や非鉄金属相場の持ち直しで、エネルギー株や資源株など商品関連銘柄に買いが入った。

個別では、BPが2.3%高と上昇率トップ。イスラエルの天然ガス会社の買収発表が好感された。グレンコア(2.1%高)などの資源株や、ナットウエスト(0.5%高)などの銀行株も堅調だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15142.02(+14.34)

28日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に続伸した。前日に比べ14.34ポイント(0.09%)高の1万5142.02で終えた。金融システム不安への過度な警戒感が後退し、自動車や小売りなど消費財銘柄が買われた。半面、ドイツ長期金利の上昇や不動産市場への影響が懸念され、ハイテク株や不動産株の下落が重荷となった。

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジー(2.0%高)やコメルツ銀行(1.6%高)などが買われる一方、ドイツ銀行(1.6%安)は売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7088.34(+10.07)

フランスCAC40種指数は0.15%高だった。
経済や金融の先行き不透明感から反落した。
BNPパリバは0.4%高、ソシエテ・ジェネラルは1.1%安だった。

 

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