ダウ反落232ドル安、利上げ長期化懸念が重荷

28日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比232ドル39セント(0.7%)安の3万2656ドル70セントと昨年11月上旬以来の安値で終えた。

2月に入り、労働市場の逼迫(ひっぱく)や物価高止まりなどを示す経済指標が相次ぎ、FRBの利上げが長期化するとの懸念が強まっている。市場では、6月まで利上げが続くとの見方が大勢。3月の利上げ幅が、再び0.5%に拡大するとの見方も出ている。「ディスインフレ(インフレ低下)は基調的な動きではない可能性がある」との声も上がっている。
インフレ高止まりで米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長引くとの観測が強まっており、米長期金利が一時、昨年11月以来の高水準を付けた。金利上昇が続くとの見方から株式の相対的な割高感が意識された。

長期金利は一時、前日比0.07%高い3.98%に上昇(相場は下落)した。午前中に上昇した後は水準を切り下げる場面もあったが、FRBの利上げ継続観測から金利先高観は強かった。

米株は引けにかけて売りの勢いが強まった。1日発表の2月の米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数が1月から上昇すると市場で予想されている。米景気の底堅さを示せばFRBの金融引き締め強化につながるとの警戒から売りが出た。

消費者向け事業の再編を明らかにした金融のゴールドマン・サックスが4%近く下げ、1銘柄でダウ平均を90ドルあまり押し下げた。製薬のメルクなど業績が景気に左右されにくいディフェンシブ株も安い。

消費関連株や景気敏感株の一角に押し目買いが入り、ダウ平均は下げ渋る場面もあった。前週に1000ドルあまり下げ、短期的に売られすぎとの見方があった。

ダウ平均は2月月間では1196ドル95セント(3.5%)下落した。下落は2カ月ぶり。

ナスダック総合株価指数は反落し、前日比11.435ポイント(0.1%)安の1万1455.544で終えた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

2月28日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比110円安の2万7425円で引けた。
米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化への懸念が重荷となり、反落した。日経平均先物にも売りが及んだ。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27425 ( -45 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27425 ( -45 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7876.28(-58.83)

28日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日に比べ58.83ポイント(0.74%)安の7876.28で取引を終えた。金融引き締めの長期化による英消費への打撃が懸念された。飲食料品株や日用品株、食品小売り株など消費関連銘柄に売りが出た。
7割弱の銘柄が下落。
個別では、決算が市場予想を下回ったオンライン食品販売オカド・グループが12.2%安と売り込まれた。特殊化学品大手クローダ・インターナショナル(5.3%安)や製薬大手アストラゼネカ(2.0%安)も売られた。ロイズ・バンキング・グループ(1.6%高)など金融関連株は堅調だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15365.14(-16.29)

28日のドイツ株価指数(DAX)は反落した。前日に比べ16.29ポイント(0.11%)安の1万5365.14で終えた。欧州中央銀行(ECB)の利上げ上振れ観測からドイツ長期金利が上昇したのが重荷だった。不動産株やハイテク株など金利動向に敏感な銘柄が売られた。
個別では、バイエルが3.9%安と下落率トップだった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7267.93(-27.62)
フランスCAC40種指数は0.38%安だった。

 

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