ダウ反落228ドル安、消費関連とハイテク株に売り

26日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比228ドル50セント(0.7%)安の3万1761ドル54セントで終えた。

 
 
 
小売り大手のウォルマートは前日、5~7月期(第2四半期)と2023年1月期通期の利益見通しをそれぞれ大きく引き下げた。食品などの記録的なインフレで、顧客が必需品以外の購入を控えていることが背景。小売り最大手の同社が見通しを下方修正したことで業績や個人消費をめぐる懸念が広がり、他の小売り株に売りが波及した。
 
 
ウォルマート株は8%下げ、ダウ平均を66ドル押し下げた。消費減速への懸念が高まり、スポーツ用品のナイキやホームセンターのホーム・デポ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株に売りが広がった。
 
 
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策会合の結果公表を翌日に控え、様子見ムードも広がる。市場ではFRBが0.75%の利上げを決めることをほぼ織り込み済みだが、今後の利上げペースの手掛かりを探ろうと、会合後のパウエルFRB議長の記者会見に注目が集まっている。
 
 
 
今週本格化するハイテク大手の決算発表や27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、ハイテク株の持ち高を調整したり、利益を確定したりするための売りも出た。
 
FOMCでは通常の3倍となる0.75%の利上げが見込まれる。会合後の記者会見で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がどのような景気や物価認識を示すのか見極めたい市場関係者が多い。
 
 
一方、26日発表の決算が市場予想を上回った銘柄は買われ、ダウ平均を支えた。売上高や1株利益が市場予想を上回った工業製品・事務用品のスリーエム(3M)は5%上昇した。1株利益が市場予想を上回った外食のマクドナルド、決算と同時に通期の売上高見通しを引き上げた飲料のコカ・コーラも上げた。
 
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比220.092ポイント(1.9%)安の1万1562.575で終えた。ウォルマートの業績下方修正を受け、ネット通販のアマゾン・ドット・コムが連想売りに押された。交流サイトのメタプラットフォームズや電気自動車のテスラも安い。
 


【シカゴ日本株先物概況】

26日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前日比340円安の2万7415円で引け、26日の大取終値を235円下回った。

 
米小売り大手ウォルマートが25日夕に業績見通しの引き下げを発表し、景気悪化を警戒する売りが出た。市場関係者は27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表に注目している。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27415 ( -235 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27445 ( -205 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100 7306.28(-0.02)
26日のFTSE100種総合株価指数は横ばい。前日に比べ0.02ポイント(0.0%)安の7306.28で引けた。高インフレによる景気への悪影響が懸念され、銀行株や資本財株、小売株など景気敏感セクターに売りが出た。一方、医薬品株や公益事業株などディフェンシブ株に買いが入り、下値を支えた。
 
個別銘柄では、給食サービス大手コンパス・グループが3.3%高、日用品・食品大手ユニリーバが2.9%高と買われる一方、ホームセンター大手キングフィッシャー(8.5%安)、小売り大手JDスポーツファッション(8.0%安)が大きく下げた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13096.93(-113.39)
26日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ113.39ポイント(0.86%)安の1万3096.93で終えた。欧州連合(EU)が26日、天然ガス需要抑制のため、8月から天然ガスの消費を減らすことで合意した。ドイツ経済の悪化につながるとの懸念から売りが出た。
DAXでは、通販大手ザランドと食材宅配大手ハローフレッシュがそれぞれ9.8%安、7.3%安と急落した。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6211.45(-26.10)
フランスCAC40種指数は0.42%安だった。
ロシアがノルドストリーム1を通じた欧州へのガス供給をさらに削減したため燃料危機が欧州経済を懸念に投資家心理が悪化した。
イタリア国内の政治的危機が苦境に拍車を掛けている。
 

 

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