市場では今月初め、FRBが9月に政策金利を0.50%引き下げるとの観測が高まったが、現在は引き下げ幅が0.25%にとどまるという見方が優勢となっている。パウエルFRB議長が翌日の講演で利下げに関し手掛かりを示すかどうかに注目が集まっている。
パウエルFRB議長はカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で23日に講演する。発言の内容を見極めようと様子見の投資家が多かった。ダウ平均は8月初旬の急落から短期間で大きく戻したため、主力株には持ち高調整の売りが出やすかった。
米長期金利が3.8%台半ばに上昇(前日終値は3.80%)し、高PER(株価収益率)のハイテク株は金利と比べた相対的な割高感が意識された。マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、セールスフォースが売られた。ダウ平均の構成銘柄以外ではエヌビディアやテスラも下落し、米株相場を下押しした。
ただ、ダウ平均の下値は堅かった。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は米CNBCの番組で、FRBの金融政策について「9月に利下げをするプロセスを始める必要があると思う」との考えを示した。22日発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったこともあり、FRBの利下げが景気を支えるとの見方が改めて意識されたのは米株相場を下支えした。
ダウ平均の構成銘柄ではインテルが下げたほか、アムジェンやホーム・デポにも売りが出た。半面、JPモルガン・チェースやアメリカン・エキスプレス、ジョンソン・エンド・ジョンソンは上昇した。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比299.633ポイント(1.67%)安の1万7619.354で終えた。アルファベットやメタプラットフォームズが売られた。
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
FTSE100 8288.00(+4.57)
22日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続伸し、前日比4.57ポイント(0.05%)高の8288.00で終えた。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッション株が10%あまり上昇し、指数を支えた。半面、貴金属や、銅など非鉄金属の先物相場が下落し、スイスのグレンコアなど資源株が下げたのは指数の重荷だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18493.39(+44.44)
22日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比44.44ポイント(0.24%)高の1万8493.39で終えた。ドイツ銀行など金融株が買われ、指数をけん引した。ユーロ圏における賃金の上昇率鈍化などを背景とした欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測も、投資家心理を支えた。
個別では、過去に買収した傘下ポストバンク関連の訴訟について原告の約60%と和解したと公表した。訴訟費用として積み立てていた引当金を一部取り崩すことで、7〜9月期の税引き前利益が押し上げられるとの見通しも示したドイツ銀行が4.03%高、コメルツ銀行が2.12%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが1.66%高と買われた半面、製薬大手バイエルは1.42%安、化学品商社ブレンタークは1.38%安、自動車部品大手コンチネンタルは0.64%安となった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7524.11(-0.61)
