ダウ反落173ドル安、CPIで金利が上昇 

12日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比173ドル73セント(0.51%)安の3万3631ドル14セントで終えた。

この日発表された9月の米CPIは前年同月比3.7%上昇し、前月と同水準の伸び。「インフレが十分に下がりきっていないことを示す内容」で、年内の利上げ観測がやや高まり、株価を下押しした。
30年物米国債の入札が低調だったことで長期金利が上昇したことも相場を圧迫した。ただ、ダウは午後に一時3万3500ドルを割り込む水準まで下げたが、終盤にかけては「CPIの数字はそこまで深刻ではない」との見方から安値拾いの買いが入り、下げ幅を縮めた。

市場では「金利の動きを見ながら取引する市場参加者が増えており、金利の上昇で株式には機械的な売りが出やすくなっている」との声が聞かれた。

ダウ平均は前日までの4営業日で680ドルあまり上昇していたため、主力株には目先の利益を確定する売りが出やすかった。イスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突で中東の地政学リスクが高まっていることも株式相場の重荷だった。

一方、FRBは今後の利上げを慎重に判断するとの姿勢を示している。9月のCPIでは食品とエネルギーを除くコア指数が前年同月比4.1%上昇と市場予想と一致。8月の4.3%上昇から伸びが鈍化した。利上げの決め手となるほどではなかったとの受け止めもあって、ダウ平均は上昇に転じる場面があった。

高金利が景気を冷やすとの見方から景気敏感株や消費関連株に売りが出た。航空機のボーイング、機械のハネウェル・インターナショナル、外食のマクドナルドなどが下げた。半面、朝方に決算を発表したドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが買われた。

ナスダック総合株価指数も5営業日ぶりに反落した。前日比85.458ポイント(0.62%)安の1万3574.219で終えた。電気自動車のテスラ、ネット検索のアルファベットが下落した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

12日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比280円高の3万2270円で終えた。
9月の米消費者物価指数(CPI)でインフレの根強さが示されたことで、米長期金利が上昇、米株式相場は下落したが、影響は限られた。同日の日本株が上昇した流れを引き継ぎ、シカゴ市場でも先物買いが優勢だった。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

12日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ24.75ポイント(0.32%)高の7644.78で終えた。原油先物相場の上昇を支えにシェルやBPといったエネルギー株が買われ、指数を押し上げた。製薬大手アストラゼネカが上昇したほか、航空・防衛大手の英BAEシステムズへの買いが続いたのも指数上昇に寄与した。

英国時間12日午後、米国で9月の消費者物価指数(CPI)が発表された。前年同月比の上昇率が市場予想を上回ったことなどを受けて米長期金利が上昇すると、FTSE100指数は伸び悩む場面もあった。

FTSEの構成銘柄では、石油大手BPが3.04%と上昇幅トップ。製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズが1.97%高、会計ソフト大手セージが1.90%高と続いた。住宅大手テイラー・ウィンペイは4.93%安、産金大手フレスニロは3.19%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
12日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前日比34.98ポイント(0.22%)安の1万5425.03で終えた。午前は高く推移していたものの、欧州時間の午後に9月の米消費者物価指数(CPI)の発表を受けて米長期金利が水準を切り上げると指数は徐々に伸び悩み、下げに転じた。再生可能エネルギー大手のRWEや風力発電機を手掛けるシーメンス・エナジーなどが下げ、指数の重荷となった。

 
DAX指数は、午前中は前日比で高く推移していた。12日のアジア市場で中国や日本の主要株価指数が上昇したことなどが投資家心理の支えとなっていた。
 
 
個別では、電力大手RWE(1.82%安)やエネルギー大手イーオン(1.72%安)、通販大手ザランド(1.71%安)が売られた一方、防衛大手ラインメタル(2.72%高)や半導体大手インフィニオン・テクノロジーズ(1.07%高)が買われた。
 

■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.37%安だった。

 
長期債利回りの低下などを背景に上昇していたものの、米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで取引の精彩を欠き、上げ幅を縮小したり、一部で軟化した。
 

 

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