ダウ反落120ドル安、ナスダック連日最高値

 
11日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比120ドル62セント(0.31%)安の3万8747ドル42セントで終えた。
 
翌日発表される5月の米消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に判明する政策金利見通し、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見を控え、警戒ムードが強まり、取引序盤からダウは利益確定の売りが先行。下げ幅は一時400ドルを超えた。

中盤以降も軟調に推移したものの、米長期金利低下が支援要因となる中、前日に生成AI(人工知能)分野での出遅れ挽回策を公表したアップルが活発に買われ、ダウは下げ幅を縮小。ただ、戻りは鈍かった。
 
市場では、FOMCなどの重要イベントを前に「株式の持ち高を減らす動きが出やすかった」。ダウ平均の構成銘柄では、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスといった金融株の下げが目立った。
民間機の受注が大幅に減ったと伝わったボーイングが下落。キャタピラーやアメリカン・エキスプレスも売られ、指数を押し下げた。朝方に売りが膨らみ、ダウ平均の下げ幅は400ドルを超える場面があった。

午後になると、ダウ平均は下げ幅を縮めた。米財務省が実施した米10年物国債入札では、債券需要の強さを示した。米長期金利が前日終値(4.47%)を下回る4.39%まで低下する場面があった。金利の低下で株式の相対的な割高感が薄れるとの見方が買いを促した。

アップル株の上昇も投資家心理の支えとなった。7%高で終え、約6カ月ぶりに最高値を更新した。前日に次期基本ソフト(OS)に生成人工知能(AI)の機能を盛り込むことを発表し、一部のアナリストが高い評価を示したことが材料となった。そのほかでは、マイクロソフトとホーム・デポが上昇した。

ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比151.017ポイント(0.87%)高の1万7343.546で終え、連日で最高値を更新した。アップルが買われたほか、アルファベットとメタプラットフォームズが上昇した。10日から株式分割後の株価での取引となったエヌビディアは下げた。

S&P500種株価指数も続伸した。前日比14.53ポイント(0.27%)高の5375.32で終え、連日で最高値を更新した。

 
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
11日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比280円安の3万8905円で終えた。この日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を翌日に控えてダウ工業株30種平均が下げるなど米株式相場の上値が重く、シカゴ市場では日経平均先物に売りが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38905 ( -275 )


シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38900 ( -280 )


( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8147.81(-80.67)
 
11日のFTSE100種総合株価指数は3日続落し、前日比80.67ポイント(0.98%)安の8147.81で終えた。終値として5月初旬以来、約1カ月ぶりの安値となる。ユーロ圏で政治の不透明感や財政悪化が意識されてフランスやスペイン、イタリアなどの株式相場が下げ、英株式市場でも売りが優勢となった。

英ナットウエスト・グループやHSBCホールディングスなど銀行株が下落し、FTSE100種指数を下押しした。

FTSEの構成銘柄では、産銅大手アントファガスタが4.26%安、金融大手スタンダード・チャータードが4.25%安、流通大手マークス&スペンサーが4.20%安と売り込まれた。一方、ディフェンシブ株は買われ、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズは2.23%高、有害生物管理会社レントキル・イニシャルは1.44%高、医療機器のコンバテックは1.30%高となった。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18369.94(-124.95)

11日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落した。前日比124.95ポイント(0.67%)安の1万8369.94と5月上旬以来、約1カ月ぶりの安値で終えた。フランスを中心にユーロ圏の政治や財政面の懸念が強まり、株式には運用リスクを回避する目的の売りが優勢となった。

個別では、コメルツ銀行が3.29%安、ドイツ銀行が3.17%安、防衛大手ラインメタルが2.63%安と下げを主導。半面、買収話を巡る思惑から素材化学大手コベストロが7.13%高と急伸したほか、化学品商社ブレンタークと化学大手BASFもそれぞれ1.23%高、0.63%高で引けた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7789.21(-104.77)

欧州株式市場ではフランスの主要な株価指数であるCAC40が3日続落。前日比104.77ポイント(1.32%)安の7789.21と2月19日以来、約4カ月ぶりの安値で終えた。ドイツ、フランスとも銀行株や不動産関連を中心に売りが出た。前日比で仏銀ソシエテ・ジェネラル株は5%安、仏BNPパリバ株は約3.9%安となった。ドイツ銀行と独コメルツ銀行はともに3%あまり下げた。
 

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次