ダウ反落106ドル安、原油高が重荷 

19日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比106ドル57セント(0.30%)安の3万4517ドル73セントで終えた。原油相場の上昇が続き、インフレ圧力が高まるとの観測が広がった。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの懸念につながり、米株に売りが出た。

米連邦公開市場委員会(FOMC)
では政策金利の据え置きがほぼ確実視されている。一方、FOMC参加者が示す今後の金利見通しやパウFRB議長の記者会見で、利下げ開始時期の後ろ倒しが示唆されることへの警戒感が高まっている。
利上げ長期化への懸念や原油高を背景に、米長期金利が2007年以来16年ぶりの高水準圏にまで上昇した。
米債券市場では、インフレが再加速するとの見方から、長期金利が一時4.37%に上昇(前日終値は4.30%)した。米株の相対的な割高感が意識されたのも売りを促した。

米原油先物相場は19日、主要産油国の減産に加え、米国産の落ち込みへの懸念が高まり、一時1バレル93ドル台後半と昨年11月以来の高値を付けた。
原油は幅広い産業の原燃料となるため、物価上昇圧力が高まるとの見方が広がった。FRBが高い政策金利を長く維持するとの警戒感から、ダウ平均の下げ幅は300ドルに達する場面があった。

午後に入ってからはハイテク株を中心に安値拾いの買いが入り、ダウ、ナスダックともに下げ幅を縮めた。

個別では化学のダウや工業製品・事務用品のスリーエムなど景気敏感株に売りが出た。半導体のインテルが大幅安となり、テーマパークへの投資を拡大すると表明した映画・娯楽のウォルト・ディズニーの下げも目立った。半面、IT(情報技術)のIBMやスマートフォンのアップルは上昇した。

ナスダック総合株価指数は反落した。前日比32.051ポイント(0.23%)安の1万3678.186で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや半導体のエヌビディアが下落した。

19日に新規上場した食品宅配サービス「インスタカート」運営のメープルベアは公開価格(30ドル)を40%上回る42ドルで初値を付けた。買い一巡後は伸び悩み、33ドル台で引けた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

19日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比10円安の3万3055円で終えた。同日は原油高に伴うインフレ懸念再燃と20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策決定を控え、リスク回避の売りが優勢となり、反落した。
東京株式市場では日経平均株価が下げたこともあり、シカゴ市場でも先物売りがやや優勢となった。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
33055 ( +15 )

シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
33100 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7660.20(+7.26)

19日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発した。前日に比べ7.26ポイント(0.09%)高の7660.20で取引を終えた。原油先物相場の上昇で、エネルギーセクターが買われた。ただ、20日の8月の英消費者物価指数(CPI)や21日のイングランド銀行(英中央銀行)の金融政策決定の結果を見極めたい市場参加者は多い。積極的に株式を買い進める動きは限られ、上値は重かった。
FTSEの構成銘柄では、投資会社ハーグリーブス・ランズタウンが4.92%高、流通大手マークス&スペンサーが2.70%高、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループが1.86%高だった。

一方、通年の業績予想を下方修正したホームセンター大手キングフィッシャーが12.22%安と急落。高級衣料のバーバリーは4.04%安、医療機器のコンバテックも2.71%安と売られた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15664.48(-62.64)

19日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ62.64ポイント(0.39%)安の1万5664.48で取引を終えた。原油高によるインフレ懸念からドイツ長期金利が上昇しているのを嫌気し、ハイテクセクターが売られた。エネルギー価格上昇によるコスト増が業績の重荷になるとの警戒感から、化学や資本財セクターの一角も下落した。
個別では、不動産大手ボノビアが3.65%高、自動車大手フォルクスワーゲンが2.14%高、ハイデルベルクセメントが1.80%高となった半面、郵便・物流大手ドイツポストは6.47%安、医療機器のザルトリウスは5.66%安、通販大手ザランドは4.69%安だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7282.12(+5.98)

フランスCAC40種指数は0.08%高だった。
原油高を背景にエネルギー株が買われる一方、金利の高止まり観測からハイテク株などは軟調だった。

 

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