1日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比81ドル37セント安の2万5333ドル82セントで終えた。
米中貿易摩擦を巡る懸念が再燃し、中国関連銘柄を中心に売りが広がった。製造業の景況感指数が市場予想を下回ったのも相場の重荷だった。
トランプ政権が検討している2000億ドル相当の中国製品への制裁関税の率について、7月公表の当初案の10%から25%に引き上げる可能性があると報じた。「貿易戦争」拍車への不安から中国市場への依存度の高いキャタピラーやボーイング、スリーエム(3M)などに売りが出て、ダウを押し下げた。
1日発表の7月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が市場予想を下回った。米中貿易摩擦と相まって、製造業の業績への市場の警戒感を高めた。
1日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表された声明文で、米景気に対する認識が引き上げられた。米景気の強さを背景にした利上げ継続方針は「予想通り」として、市場の反応は限られた。
一方、31日夕に発表したアップルの2018年4~6月期決算を受け、アナリストによる目標株価の引き上げが相次いだ。アップル株は大幅高となり、指数を押し上げた。米長期金利が上昇し、利ざや改善期待からJPモルガン・チェースなど銀行株が買われたことも相場を支えた。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比35.497ポイント高の7707.286で終えた。アップル、アマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)が上げた。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や不動産が上昇する一方で自動車・自動車部品や資本財が下落した。
個別銘柄では、アップルは「iPhone X」の好調な販売で平均販売価格(ASP)が上昇して大幅増益となり、株価は200ドルの節目を上回り過去最高値を更新。時価総額も1兆ドル目前に迫っている。食料品のキャンベルスープ(CPB)は、ヘッジファンドのサード・ポイントが同社株を3億ドル以上取得したことが報じられ堅調推移した。
一方で、原油相場の下落で、エネルギー会社のチェサピーク・エナジー(CHK)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が軟調推移。自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)やフォード(F)は、7月新車販売台数が前年比で減少し下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,333.82-81.37
S&P500種
2,813.36-2.93
ナスダック
7,707.286+35.497
米10年債利回り(%)
3.0083 +0.044
米2年債利回り(%)
2.6816 +0.01300
NY金(ドル/トロイオンス)1,227.60-6.00
NY原油(ドル/バレル)
67.87+0.21
円・ドル
111.67 – 111.68-0.44
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴの日経平均先物は下げの後は値を戻した。
9月物は前日と変わらずの2万2625円で引け、同日の大取終値を155円下回った。米中貿易摩擦への懸念が再燃し、朝方から売り優勢で推移した。
トランプ米政権が約2000億ドル相当の中国製輸入品の関税引き上げを検討している、と市場に伝わった。引けにかけては値を戻した。
この日の9月物安値は2万2550円、高値は2万2815円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22625 ( -155 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22650 ( -130 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7652.91(-95.85)
FTSE100種総合株価指数は反落。前日31日の終値に比べ95.85ポイント安の7652.91で引けた。
業績を手掛かりにした売りが先行した。2日の英イングランド銀行の金融政策委員会で、0.25%の利上げが有力視されることも上値が重かった要因の一つだった。
指数構成銘柄全体の約8割が下落した。
銅価格の大幅な下落を背景に鉱業株に売りが膨らんだ。資源商社のグレンコアと上期の業績が市場予想に届かなかったリオ・ティントの下げが目立った。銅相場は米中貿易摩擦の懸念が再燃し、前日比で2%超、下落した。
個別銘柄では、英衣類小売ネクストが7.1%安と急落した。上期決算は悪くなかったものの、通期の利益見通しは据え置いた。一部アナリストが下期の売上高の伸びが鈍化するとの見方を示したことなどが響いた。英・豪系資源大手リオ・ティントは業績が予想を下回ったとして3.4%安の軟調となった。
航空・防衛のBAEシステムズも午後にかけて値下げ幅を広げた。上期決算で1株当たり利益が減少したことなどが売り材料視された。
半面、好決算を手掛かりに物色する動きも出た。業績好調のアイルランド段ボール大手スマーフィット・カッパが2.7%高で上昇率トップ。銀行のロイズ・バンキング・グループ1.7%高、アナリストが目標株価を引き上げた医薬品のシャイアーは1.2%高と上昇した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12737.05(-68.45)
ドイツ株式指数(DAX)は反落。終値は前日31日と比べて68.45ポイント安の12737.05だった。
個別では、自動車関連株が下落するなか、フォルクスワーゲンが大幅安で引けた。四半期は増益となったものの、最高経営責任者が「保護主義が影を落としている」などと先行きを警戒し、アナリストが目標株価と投資判断を引き下げたことが嫌気された。タイヤのコンチネンタルも安かった。電力株も売りに押された。
半面、医療関連株と化学株が上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5498.37(-12.93)
