23日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落した。
終値は前日比87ドル80セント安の2万1812ドル09セントだった。
トランプ大統領がメキシコ国境の壁建設に関する予算確保ができなければ、政府機関の閉鎖も辞さないと言及し、政権運営への懸念から売りが先行した。
野党・民主党に譲歩する形で壁建設の費用を盛り込まず成立した2017会計年度予算は9月末までで、10月以降は何らかの歳出法案が成立しなければ政府が閉鎖される。共和党内にも壁建設に慎重な意見があり、トランプ大統領の要求で議会審議が停滞するとの懸念が強まった。
米議会予算局(CBO)は10月半ばにも元利金の支払いができず債務不履行に陥ると警告しており、トランプ氏の発言で債務上限の引き上げや凍結が不透明になるとの見方が市場心理を冷やした。
しかし、週末に開催される金融・経済シンポジウムの講演内容を見極めたいとの思惑から下値は限られた。
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比19.072ポイント安の6278.406で終えた。
セクター別では、不動産やエネルギーが上昇する一方で運輸やメディアが下落した。
ホームセンターのロウズ(LOW)が安い。23日発表した2017年5~7月期決算で売上高と1株利益が市場予想に届かなかったのを嫌気した売りがかさみ、同業のホーム・デポ(HD)にも売りが及んだ。
傘下企業が販売する口内清浄製品のリコール(回収・無償修理)を発表した医療器具のストライカーが下落。グーグルとネット通販事業の一部で提携すると明らかにした小売りのウォルマート・ストアーズも次第に売りが優勢となった。
一方、アパレルのアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)は決算内容が好感され、上昇。発表した2017年5~7月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったのを好感した買いが入った。
NYダウ工業株30種(ドル)
21,812.09-87.80
S&P500種
2,444.04-8.47
ナスダック
6,278.406-19.072
米10年債利回り2.167 ( -0.049 )
NY原油(ドル/バレル)48.35-0.06
円・ドル108.96 – 108.97 -0.46
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前日比135円安の1万9345円で引け、大阪取引所の終値を75円下回った。トランプ政権を巡る不透明感から円高・米株安となったことが嫌気され、日本株が売られた。
トランプ米大統領は、米連邦政府予算編成に絡み、国境の壁の建設予算確保のためには政府機関の閉鎖もいとわないとの姿勢を示した。政治的な対立で政策運営が不透明になるとの懸念から、投資家心理の悪化につながった。
この日の9月物安値は1万9340円、高値は1万9545円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
19345 ( -75 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
19355 ( -65 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7382.65(+0.91)
FTSE100種総合株価指数は小幅に続伸した。前日終値に比べ0.91ポイント高の7382.65で引けた。鉱業株と石油株の上げが指数を押し上げる一方で、広告のWPPグループの下げが上値を抑えた。構成銘柄の約6割が下落した。
鉱業株が買われた。アントファガスタとリオ・ティントはともに、アナリストが株価目標を引き上げたことが好感され買われた。原油高を背景に、石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルも上がった。
アストラゼネカなど医薬品株も上昇した。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)など銀行株と、スーパーマーケットのテスコとWMモリソン・スーパーマーケッツも高くなった。
半面、WPPは11%近く下がった。通期売上高見通しを引き下げたことが嫌気された。アナリストが株価目標を引き下げたことも売り材料となった。たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコも安くなった。
バラット・ディベロップメンツなど住宅建設株と、アヴィヴァなど保険株も売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12174.30(-55.04)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日比55.04ポイント安の12174.30だった。
放送大手のプロジーベンザット1メディアは3%超下落した。鉄鋼のティッセン・クルップとハイデルベルクセメントの下げも目立った。一方で、ドイツ銀行と医療機器のフレゼニウスは上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5115.39(-16.47)
