ダウ反落し178ドル安 利益確定売り優勢、米朝首脳会談の不透明感は重荷

22日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比178ドル88セント安の2万4834ドル41セントで終えた。
中国が自動車の輸入関税を引き下げるとの報道を受けて、貿易摩擦を巡る米中間の緊張緩和が好感され買いが先行した。しかし、ポンぺオ米国務長官が昨日にイランへの経済制裁を発表したほか、トランプ大統領が米朝会談を見送る可能性に言及し、地政学リスクへの警戒感から上げ幅を縮小し、下落した。
 
前日の大幅高を受けて資本財銘柄などに利益確定の売りも出たため、上値は重かった。
米中貿易摩擦の懸念が後退し、21日にダウ平均は前週末比300ドル近く上げた。22日は目先の利益を確定する目的の売りに押された。前日に上げが目立った航空機のボーイングや建機のキャタピラーなどが売られ、指数を押し下げた。
 
トランプ米大統領は22日、韓国の文在寅大統領と会談した。その場で記者団に北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談の開催を延期する可能性を示唆した。トランプ氏は中国との貿易交渉についても「満足していない」と話したと伝わり、株の買い手控えムードが強まった。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比15.581ポイント安の7378.455で終えた。アルファベット(グーグル)やフェイスブックといった主力株が下げた。
 
セクター別では、銀行や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で資本財やエネルギーが下落した。
 
 
個別では、四半期決算が減益だった高級住宅建設のトール・ブラザーズ(TOL)が大幅安だった。百貨店のJCペニー(JCP)は、エリソンCEOが辞任しホームセンターのロウズ(LOW)のCEOに就任することが明らかとなり下落。自動車部品小売のアドバンス・オート・パーツ(AAP)は、決算内容が嫌気され売られた。
 
一方、前日に業績見通しの引き上げや自社株買いを発表した半導体のマイクロン・テクノロジーが大幅高。22日に発表した四半期決算で、売上高が市場予想を上回ったディスカウントストアのTJXも買いが優勢だった。
 
VIX指数は13.22と前日から上昇した(前営業日13.08)。
昨日に3月下旬以来の25000ドル台を回復したダウ平均は続伸してスタートするも、利益確定売りに押されマイナス圏に沈み、引けにかけて下げ幅を拡大した。米株が反落し、VIX指数は上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,834.41-178.88
S&P500種
2,724.44-8.57
ナスダック
7,378.455-15.581
 
米10年債利回り(%)
3.0615 -0.003
米2年債利回り(%)
2.5701 +00
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,292.00+1.10
NY原油(ドル/バレル)
72.13-0.07
円・ドル
110.81 – 110.82-0.26

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小反落した。
6月物は前日比90円安の2万2935円で引け、同日の大取終値を25円下回った。前日に米中貿易摩擦への懸念の薄れから上げたため、利益確定売りに押された。
米メディアがトランプ米大統領の「対中通商交渉に満足していない」との発言を伝え、相場を下押したとの見方もある。
この日の6月物安値は2万2915円、高値は2万3025円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22935 ( -25 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22940 ( -20 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7877.45(+18.28)
FTSE100種総合株価指数は続伸した。前日21日の終値に比べ18.28ポイント高の7877.45と、連日で最高値を更新した。構成銘柄の約7割が上昇した。
銀行株と医薬品株の上げが株価指数を押し上げた。
 
個別では、スタンダードチャータード銀行やロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)など銀行株が買われた。
医薬品株も上がった。グラクソ・スミスクラインは前日午後遅くに、小児ぜんそく治療薬について、米食品医薬品局(FDA)が承認したと発表したことなどが買い材料となった。
携帯電話サービスのボーダフォン・グループと鉱業のフレスニージョ、医療のメディクリニック・インターナショナルの上げも目立った。
 
半面、石油のロイヤル・ダッチ・シェルとBPは軟調だった。旅行のTUIと航空・防衛のBAEシステムズの下げも目立った。
小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)は3%近く下がった。2022年までに国内100店舗以上を閉鎖する計画を発表し、売られた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13169.92(+92.20)
3連休明けの22日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前営業日である18日と比べて92.20ポイント高の13169.92だった。
 
個別では、鉄鋼のティッセン・クルップは9%超上昇した。
自動車のBMWとフォルクスワーゲン、ダイムラーの上げも目立った。中国政府がこの日、7月1日から輸入乗用車に対する関税を引き下げると発表したことが好感された。
一方で、電力のRWEと医薬・化学大手の独メルクは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5640.10(+2.59)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日21日に比べて0.05%高の5640.10と、終値ベースで2007年12月中旬以来の高値を連日更新した。
 

■フランス・パリ株価指数

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