17日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落した。終値は前週末比8ドル02セント安の2万1629ドル72セントだった。
今週から本格化する4〜6月期決算を見極めたいとの思惑から、投資家の様子見姿勢が強まった。また、予想を下振れた7月NY連銀製造業景気指数や原油安が嫌気され、上値の重い展開になった。
NY連銀が17日発表した7月の製造業景況指数はプラス9.8と前月(プラス19.8)から大きく低下し、市場予想を下回った。米企業の景況感に改善の勢いが一服しているとの見方が株価の重荷となった。
半面、今週から発表が本格化する4〜6月期決算への期待は根強い。米調査会社トムソン・ロイターによると、17日時点で米主要500社は前年同期比8.2%の増益となる見込みだ。7月1日時点より利益水準はやや切り上がっており、業績への期待が相場を支えた。
ナスダック総合株価指数は小幅ながら7日続伸し、前週末比1.966ポイント高の6314.431で終えた。モルガン・スタンレーが目標株価を引き上げたアップルのほか、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトといった時価総額の大きい主力株が買われて指数を押し上げた。
セクター別では、小売や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方で運輸や半導体・半導体製造装置が下落した。
先月上場した食材宅配サービスのブルーエプロン(APRN)はネット小売りのアマゾン(AMZN)による、食材宅配事業への参入検討が報じられ、下落した。
取引開始前に発表した4〜6月期決算で業績が市場予想に届かなかった資産運用のブラックロックが下落した。
一方で、アマゾンが高い。UBSが目標株価を引き上げたうえ、食材キットの配達サービスなど新規事業に相次いで参入すると報じられたことが買い材料視された。
物言う株主で知られるネルソン・ペルツ氏が自らを取締役に選任させるために委任状争奪戦に乗り出したプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
21,629.72−8.02
S&P500種
2,459.14−0.13
ナスダック
6,314.431+1.966
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小動き。9月物は前週末比5円安の2万0035円で引け、14日の大取終値を75円下回った。この日の日本市場が休場で新規材料に乏しく、円と米株の相場をにらむ動意薄の展開になった。
前夜の夜間取引で一時2万円を割り込む場面もあり、9月物安値は1万9970円だった。高値は2万0115円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
20035 ( -75 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
20060 ( -50 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7404.13(+25.74)
FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前週末終値に比べ25.74ポイント高の7404.13で引けた。構成銘柄の7割が上昇した。鉱業株と石油株に買いが集まり、指数をけん引した。
金属相場の上昇を追い風に鉱業株が全面高で引けた。なかでも銅価格が4カ月半ぶりの高値を付けたことを受けてアントファガスタや資源商社のグレンコアが高かった。また金相場も上げたことから関連のフレスニージョが高かった。前週末に下落した石油株も買い戻された。
半面、たばこのインペリアル・ブランズが安かったほか、教育事業のピアソンとブックメーカー(賭け屋)のパディパワー・ベットフェアも下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12587.16(−44.56)ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前週末比44.56ポイント安の12587.16だった。構成銘柄の約7割が下落した。
ドイツ取引所や医薬・化学大手の独メルクの下げが目立った。電力株と自動車株も軟調だった。一方で、アナリストが目標株価を引き上げた航空のルフトハンザが上げたほか、アディダスも上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5230.17(−5.14)
