1日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比87ドル37セント(0.23%)高の3万7903ドル29セントで終えた。
ダウ平均は前日に今年最大の下げ幅を記録した後で、主力株の一部に自律反発を見込んだ買いが入った。
この日のダウは前日売られた反動もあり、朝方から総じてプラス圏で推移し、午後の連邦公開市場委員会(FOMC)の結果待ちの展開となった。FRBはFOMCで政策金利を6会合連続で据え置くことを決め、声明で「過去数カ月で(インフレ鈍化に)一段の進展がない」との見解を示した。
ただ、最近の市場予想を上回る物価統計を受け、市場では年内の利下げ期待が後退し続けていたが、パウエル議長によるFOMC後の記者会見での発言はインフレが持続的に2%に向かうと確信を強めるまでに「想定よりも時間がかかりそうだ」との見方を示した。
それほど利下げに消極的とは受け止められず、買い安心感が広がってダウの上げ幅は一時500ドルを超えた。
FRBは1日まで開いたFOMCで市場の予想通り、6会合連続で政策金利を据え置いた。量的引き締め(QT)の減速方針も決めた。声明ではインフレは過去1年で和らいできたものの「この数カ月は、2%の物価目標に向けた一段の進展を欠いている」との認識を示した。
1日午前に発表された3月の米雇用動態調査(JOLTS)では求人件数が前月比で減少し、2021年2月以来の低水準となった。賃金インフレが高まるとの懸念後退につながった。米長期金利は一時4.5%台後半と前日終値(4.68%)を下回って推移し、株式の相対的な割高感が和らいだことも株買いを支えた。
取引終了にかけてダウ平均は急速に伸び悩んだ。4月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は49.2と好不況の境目とされる50を下回り、市場予想にも届かなかった。一方、仕入れなどで負担する支払価格の指数は5.1ポイント上昇し、「スタグフレーション(景気停滞とインフレの併存)への懸念を招く」との受け止めもあった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅安となった。前日夕に24年1〜3月期決算と併せて発表した4〜6月期の売上高見通しが慎重との見方が広がった。人工知能(AI)関連で期待が高かったサーバーなど電子機器製造のスーパー・マイクロ・コンピューターは急落した。前日夕に発表した四半期決算で売上高が市場予想に届かなかった。エヌビディアなど他の半導体株にも売りが及び、投資家心理の重荷となった。
個別銘柄ではアマゾン・ドット・コムが2%高となった。前日夕に発表した24年1〜3月期決算が市場予想を上回り、利益率の高いクラウドサービスが好調だった。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やボーイング、スリーエムも高い。マイクロソフトも買われた。半面、ナイキやIBM、アメリカン・エキスプレスは売られた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比52.341ポイント(0.33%)安の1万5605.481で終えた。半導体関連株が軒並み売られ、指数の重荷となた。テスラも安い。
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比200円安の3万7965円で終えた。
NYダウ平均は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言が懸念されていたほど利下げに消極的な内容ではなかったのを受け、反発した。
この日の米国市場でナスダック総合株価指数は下落した。投資家心理が弱気に傾き、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
37965 ( -245 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37980 ( -230 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8121.24(-22.89)
1日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日比22.89ポイント(0.28%)安の8121.24で終えた。
原油先物相場の下落を背景に英BPなど時価総額が大きいエネルギー株が下げ、指数を下押しした。建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループなど資本財株の一角にも売りが出た。
半面、製薬大手の英GSKなどヘルスケア関連の銘柄には買いが優勢だった。FTSE100種指数は前日終値を上回って推移する場面もあった。
構成銘柄では、小売り大手JDスポーツ・ファッションが2.98%安、建機レンタルのアシュテッド・グループが2.88%安、オンライン食品販売大手オカド・グループが2.83%安と売られた。一方、業績見通しを上方修正した製薬大手GSKが1.91%高、学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループが1.29%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
休場
1日はドイツやフランス、スペインなどの株式市場はメーデーの祝日で休みだった。
■フランス・パリ株価指数
休場
1日はドイツやフランス、スペインなどの株式市場はメーデーの祝日で休みだった。
