ダウ反発69ドル高、FOMC議事録を受け

 
6日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比69ドル86セント(0.2%)高の3万1037ドル68セントで終えた。
 
この日は米連邦準備理事会(FRB)が午後に発表される前回のFOMC議事要旨に注目が集まり、取引中盤までのダウは方向感に乏しい展開を維持。議事要旨が明らかにされると、市場の想定を超えるタカ派な内容ではなかったため、徐々に買いが膨らみ、ダウの上げ幅は一時200ドルを超えた。
ただ、今週末に雇用統計の発表を控えているほか、景気後退突入への懸念が根強い中、上値も重かった。
 
FOMC議事要旨では、参加者が次回7月の会合で「0.5%か0.75%の利上げが適切になるだろう」とみていたことがわかった。「インフレ圧力の高まりが続くならば(中立金利を上回る)一段と引き締め的な政策スタンスが適切になり得る」との認識も示した。ただ、全体的にFOMC後のパウエル議長の記者会見での発言に沿い、市場では「タカ派色を一段と強める内容ではない」とみなされた。
 
午前に発表された6月の米サプライ管理協会(ISM)サービス業購買担当者景況指数(PMI)は55.3と、2020年5月以来の低水準となったが、市場予想(54.3=ロイター通信調べ)を上回る内容。だが、相場への影響は限られた。
 
 
米金融引き締めが景気を冷やすとの見方が広がる中、業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ株が買われた。医療保険のユナイテッドヘルス・グループが2%高で終えた。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)と製薬のメルクも高い。
 
今年上半期に下げがきつかったハイテク株も買い直され、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルがともに1%高となった。顧客情報管理のセールスフォースも上昇した。
 
一方、景気敏感株や消費関連株の一角は売りが優勢だった。米長期金利の指標である10年物国債利回りは一時、前日比0.12%高い2.93%を付けたが、2年債利回りを下回る「逆イールド」状態が続いた。景気後退の予兆とみなされる。利ざや縮小懸念から金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが売られた。航空機のボーイングやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスも下げた。
 
米原油先物相場の下落で石油のシェブロンが売られた。資源高が業績の追い風になる建機のキャタピラーも安い。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比39.614ポイント(0.3%)高の1万1361.852で終えた。検索サイトのアルファベットやネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力ハイテク株が買われた。半導体株も軒並み上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,037.68+69.86
S&P500種
3,845.08+13.69
ナスダック
11,361.852+39.614
FTウィルシャー5000
38,979.03+79.20
NY金(ドル/トロイオンス)
1,736.50-27.40
NY原油(ドル/バレル)
98.15-0.38
円・ドル
135.88 – 135.91+0.46
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は小幅に上げた。9月物は前日比20円高の2万6265円で引け、6日の大取終値を265円上回った。6日の市場で米株が反発し、日経平均先物を支えた。6日発表の6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨は大幅利上げの継続姿勢を示したが、予想範囲内に収まり米株は買われた。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26265 ( +265 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26300 ( +300 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7107.77(+82.30)
6日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ82.30ポイント(1.17%)高の7107.77で引けた。前日に大幅に下落していたため、自律反発を見込んだ買いが入った。
FTSEでは、指数構成銘柄の8割超が上昇した。投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストが6.9%高と上昇率トップ。小売り大手JDスポーツファッション(4.6%高)など消費関連株も買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12594.52(+193.32)
6日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。前日に比べ193.32ポイント(1.56%)高の1万2594.52で終えた。ノルウェーの石油・ガス業界の労働組合によるストライキが終了し、エネルギー供給への懸念が和らいだ。化学株やハイテク株など幅広いセクターが買われた。DAXでは、食材宅配大手ハローフレッシュが6.2%高と上昇率トップだった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5912.38(+117.42)
フランスCAC40種指数は2.03%高だった。
リスク回避ムードが後退し、値ごろ感から買い戻しが優勢となった。

 

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