15日のNYダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発し、前日比658ドル09セント(2.1%)高の3万1288ドル26セントで終えた。
米景気の底堅さを示す経済統計の発表を受け、好感する買いが幅広い銘柄に入った。米連邦準備理事会(FRB)が急激な利上げに動くとの観測がやや後退したのも相場上昇を後押しした。
朝方発表の6月の米小売売上高は前月比1.0%増と市場予想(0.9%増)以上に増えた。また、米ミシガン大学が発表した7月の消費者態度指数も前月から改善した。インフレが加速する中でも消費は堅調と受け止められ、景気敏感株や消費関連株が買われた。
ミシガン大が併せて発表した消費者の期待インフレ率が低下したのも株買いを誘った。5年先の期待インフレ率は2.8%上昇と前月(3.1%)から低下した。FRBが金融政策の判断で重視するデータだけに、26~27日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の4倍にあたる1%の利上げを決めるとの見方が後退。急激な利上げが景気を冷やすとの懸念が和らいだ。
ダウ構成銘柄の医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループがこの日発表した4~6月期決算は増収増益だった上、通期の業績見通しが上方修正された。
また、金融大手シティグループの4~6月期は減益決算だったものの、調整後の1株当たり利益が市場予想を上回った。
両社の株が活発に買われる中、ダウは金融株、ヘルスケア株主導で上昇し、終日堅調な値動きを維持した。ダウは前日まで5営業日連続で下落していたため、安値拾いの買いが入りやすかったほか、朝方発表された小売売上高が市場予想を上回ったことも投資家心理の好転につながった。
クレジットカードのアメリカン・エキスプレスと映画・娯楽のウォルト・ディズニーが上昇したダウ平均の構成銘柄で同業のJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスに買いが波及した。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比201.236ポイント(1.8%)高の1万1452.421で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムと交流サイトのメタプラットフォームズなど主力株に加え、エヌビディアなど半導体関連株も総じて上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
31,288.26+658.09
S&P500種
3,863.16+72.78
ナスダック
11,452.421+201.236
FTウィルシャー5000
39,188.43+749.89
NY金(ドル/トロイオンス)
1,703.60-2.20
NY原油(ドル/バレル)
97.57+1.79
円・ドル
138.51 – 138.53-0.58
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前日比280円高の2万6980円で引け、15日の大取終値を220円上回った。NYダウは、この日発表の6月の米小売売上高が予想以上の堅調な消費を示したため景気悪化への警戒感が薄れた一部企業の決算が好感される中、最近の下げを受けた値ごろ感の買いも入り、6営業日ぶりに急反発した。日経平均先物は米株とともに買われた。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26980 ( +220 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27020 ( +260 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
15日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日に比べ119.20ポイント(1.69%)高の7159.01で引けた。米連邦準備理事会(FRB)の急激な金融引き締め観測が後退し、景気懸念がやや和らいだことから株式が買い直された。医薬品株や飲食料品・たばこなどディフェンシブ株が買われた。
個別では、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが5.2%高で上昇率トップ。通信会社エアテル・アフリカが4.6%高、小売り大手JDスポーツファッションが4.4%高で続いた。指数構成銘柄の9割超がプラスだった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
15日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに大幅に反発した。前日に比べ345.06ポイント(2.76%)高の1万2864.72で終えた。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めがさらに加速するとの観測が後退したことで、景気の悪化懸念が和らぎ投資家心理が上向いた。前日までの大幅下落で値ごろ感を意識した買いも入りやすかった。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は2.04%高だった。FRB高官2人が急激な利上げに否定的な見解を示したと伝わり、買い戻しの動きが広がった。
