19日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比499ドル51セント(1.5%)高の3万4911ドル20セントで終えた。
米原油先物相場は5営業日ぶりに反落し、5%超値下がりした。原油相場の高騰が燃料費などを押し上げ、消費の圧迫要因になっているため、この日は上昇が一服したことで株式市場は安心感が広がった。また、ダウ平均が2営業日続落していたことから、安値拾いの買いも入りやすかった。
米企業の1~3月期決算がおおむね好調なことも株価を支援。調査会社リフィニティブによれば、米主要500社のうち決算発表を済ませた49社の約8割が、市場予想を上回った。
3月の米小売売上高など最近発表された経済指標は、インフレが加速するなかでも米経済は底堅く推移していることを示している。ディフェンシブ株などに比べ出遅れていた消費関連や景気敏感株に見直し買いが入った。スポーツ用品のナイキが4%上昇、映画・娯楽のウォルト・ディズニーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)の上昇も目立った。
航空機のボーイングは3%上げた。米空運会社が18日以降に乗客と乗務員のマスク着用義務の撤廃を発表。旅客需要の回復が加速し、航空機の受注増につながるとの期待を誘った。米長期金利が一時2.94%と2018年12月以来の高水準を付け、金融のJPモルガン・チェースなどに利ざや拡大を見込んだ買いが入った。
最近の長期金利上昇を受けて、相対的な割高感から売られていた高PER(株価収益率)のハイテク株もこの日は買い直しが優勢だった。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフトがともに約2%上げた。金融引き締めを警戒してヘッジファンドなどが積み上げていた売り持ちをいったん解消する動きが広がったとの指摘があった。
19日朝に22年1~3月期決算を発表した医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は3%高で終えた。1株利益が市場予想を上回り、インフレの影響が懸念していたほどではないと受け止められた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比287.299ポイント(2.2%)高の1万3619.657で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムと交流サイトのメタプラットフォームズがともに3%超上昇した。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株も総じて高い。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,911.20+499.51
S&P500種
4,462.21+70.52
ナスダック
13,619.657+287.299
FTウィルシャー5000
45,582.30+823.83
NY金(ドル/トロイオンス)
1,959.00-27.40
NY原油(ドル/バレル)
103.05+0.49
円・ドル
129.26 – 129.28+1.20
【シカゴ日本株先物概況】
19日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比415円高の2万7260円で引け、19日の大取終値を210円上回った。
好調な企業決算への期待や原油安などを手掛かりに日経平均先物は米株とともに買われた。
連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げや金利高への警戒感を相殺。売られていたハイテクセクターでも買戻しが強まり、引けにかけて、主要株式指数は上げ幅を拡大した。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27260 ( +210 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27295 ( +245 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7601.28(-15.10)
19日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前営業日の14日に比べ15.10ポイント(0.20%)安の7601.28で引けた。インフレが英景気の回復を抑制するとの警戒感から、飲食料品や専門サービス、日用品など消費関連株が売られた。 FTSEでは、指数構成銘柄の約6割が下落。資産運用会社インターメディエイト・キャピタル・グループ(4.6%安)や民放大手ITV(3.6%安)が大きく下げた。石油大手シェル(1.6%高)や同BP(0.4%高)は買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14153.46(-10.39)
19日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に反落し、前営業日の14日に比べ10.39ポイント(0.07%)安の1万4153.46で終えた。ウクライナ情勢やインフレへの警戒が続き、欧州景気への不透明感から不動産や金融などに売りが出た。ただ、19日の米株式相場が上昇して始まると安心感が広がり、引けにかけて下げ幅を縮小した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6534.79(-54.56)
フランスCAC40種指数は0.83%安だった。
ウクライナ情勢の警戒感から売りが優勢となったものの、米国株が上昇して始まったことで下げ幅を縮小した。
