11日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比36ドル31セント(0.1%)高の2万9239ドル19セントで終えた。
重要指標などの発表を週内に控えて投資家の間で様子見気分が広がり、株価は不安定な値動きとなった。12日には米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に開いた金融政策会合の議事要旨が公表されるほか、13日に9月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。CPIで物価上昇圧力の高止まりが改めて示されれば、FRBがインフレ抑制に向けて、次回11月の会合で再び0.75%の大幅利上げを決めるとの見方が市場で一層強まりそうだ。
短期的な戻り期待の買いでダウ平均は400ドルあまり上昇する場面もあったが、取引終了にかけて伸び悩んだ。
前日までの4営業日で1100ドルほど下げており、自律反発を期待した買いが入った。ニューヨーク連銀が11日に発表した9月の消費者調査で1年先の予想物価上昇率が5.4%と昨年9月以来の低さとなり、市場心理の改善につながったとの見方もあった。
ヘルスケア株や必需品株など、景気動向に左右されにくい「ディフェンシブ銘柄」が堅調だった。
個別銘柄ではアナリストが投資判断を引き上げたバイオ製薬のアムジェンが6%高で終えた。消費関連株の一角も買われ、小売りのウォルマートやスポーツ用品のナイキが高い。半面、米長期金利の上昇で相対的な割高感が意識された高PER(株価収益率)のハイテク株は売りが優勢だった。顧客情報管理のセールスフォースが2%安、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルも下げた。
ナスダック総合株価指数は5日続落した。前日比115.910ポイント(1.1%)安の1万0426.192で終え、連日で年初来安値を更新した。交流サイトのメタプラットフォームズと動画配信のネットフリックスの下げが目立った。半導体関連株も連日売られた。
【シカゴ日本株先物概況】
11日のシカゴ日経平均株価は続落した。12月物は前日比315円安の2万6350円で引けた。
ダウ平均は4営業日続落した反動で、安値拾いの買いが入った。
同日の日本株が下落した流れを引き継いだ。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
26350 ( -80 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
26355 ( -75 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6885.23(-74.08)
11日のFTSE100種総合株価指数は5日続落した。前日に比べ74.08ポイント(1.06%)安の6885.23で引けた。大幅な金融引き締め継続が景気悪化を招くとの懸念からエネルギー株や資源株、銀行株など景気敏感セクターに売りが出た。
FTSEでは、オンライン食品販売オカド・グループが5.3%安と下落率トップ。スタンダード・チャータード(3.9%安)やナットウエスト(2.6%安)など金融関連株も売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12220.25(-52.69)
11日のドイツ株価指数(DAX)は5日続落した。前日に比べ52.69ポイント(0.43%)安の1万2220.25で終えた。国際通貨基金(IMF)が11日発表した世界経済見通しで、ドイツの2023年の成長率を7月時点のプラス0.8%からマイナス0.3%に下方修正した。ドイツ景気の後退懸念が強まり、株が売られた。
DAXでは、化学品商社ブレンタークが8.7%安と売り込まれた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5833.20(-7.35)
フランスCAC40種指数は0.13%安だった。
世界的な景気後退懸念から売りが優勢となった。
