ダウ反発358ドル高、自律反発狙い

13日の米株式市場でNYダウ工業株30種平均は反発し、前週末比358ドル67セント高の4万2297ドル12セントで終えた。
 
10日発表された昨年12月の米雇用統計が労働市場の底堅さを示す内容で、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退し、同日のダウ平均は700ドル近く値下がりした。ただ、この日は「米景気の強さが好感された」(日系証券)ことで、医療保険や金融の銘柄を中心に積極的に買われた。
ユナイテッドヘルスが3.9%高で終え、1銘柄でダウ平均を120ドルあまり押し上げた。公的医療保険を管轄するメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が10日、26年の政府から保険会社への支払額を増やす案を発表し、好感した買いが入った。ダウ平均の構成銘柄ではないが、ヒューマナやCVSヘルスといった医療保険関連株が上昇した。

取引開始直後にダウ平均は下げる場面があった。13日の米債券市場で長期金利が一時4.80%と23年11月以来の高水準を付けた。米景気の底堅さを背景に米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方がある。長期金利の上昇で株式の相対的な割高感が強まるとの警戒は株式相場の重荷となった。

市場では「米国のインフレ再燃に対する不安が続いている」との指摘があった。14日に12月の米卸売物価指数(PPI)、15日に12月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、内容を見極めたいとの雰囲気もあった。

そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アナリストが投資判断を引き上げたキャタピラーが上昇した。アムジェンやスリーエム(3M)、JPモルガン・チェースも買われた。半面、米政権による人工知能(AI)半導体の輸出規制強化を懸念し、エヌビディアが下げた。24年10〜12月期のスマートフォン販売の落ち込みが伝わったアップルが売られたほか、ウォルマートも安かった。

ナスダック総合株価指数は4日続落した。前週末比73.526ポイント(0.38%)安の1万9088.102と、24年11月下旬以来の安値で終えた。半導体のマイクロン・テクノロジーやビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズが下げた。

NYダウ    42297.12 ( +358.67 )
S&P500    5836.22 ( +9.18 )
NASDAQ  19088.10 ( -73.53 )
米10年債利回り  4.789 ( +0.028 )

NY(WTI)原油   78.82 ( +2.25 )
NY金      2678.6 ( -36.4 )
VIX指数    19.19 ( -0.35 )

 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

13日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前週末比75円安の3万8705円で終えた。
NYダウ平均は、前週末の大幅下落を受けて安値拾いの買いが優勢となり、反発した。
ただ、この日は米長期金利の上昇を受けて米ナスダック総合株価指数が弱含み、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。

 

シカゴ日経225先物 (円建て) 
38705 ( -545 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38785 ( -465 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

13日の英FTSE100種総合株価指数は続落し、前週末比24.30ポイント(0.29%)安の8224.19で終えた。米利下げ観測の後退などを背景に米英の長期金利が水準を一段と切り上げる場面があり、嫌気された。

FTSEの構成銘柄では、原油先物相場の上昇を背景に、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が3.58%安、産金大手フレスニロが3.52%安、不動産サイト大手ライトムーブが3.19%安と下げを主導。一方、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループは2.27%高、金融大手ナットウエストは1.95%高、食品・小売り大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは1.63%高となった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

13日のドイツ株価指数(DAX)は4日続落し、前週末比81.94ポイント(0.40%)安の2万0132.85で終えた。米国経済の強さを映す指標や、米国でインフレが再燃しかねないとの見方から、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動きにくくなるとの見方が広がっている。米欧長期金利の高止まりとともに、投資家心理の重荷となった。
 
個別では、金利動向に敏感なセメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが2.15%安、スポーツ用品大手アディダスが2.05%安、不動産大手ボノビアが1.70%安と売られた半面、医療機器のザルトリウスは3.31%高、電力大手RWEは1.56%高、分子診断大手キアゲンは1.46%高と値を上げた。

■フランス・パリ株価指数

フランスでは株価指数CAC40が続落し、前週末比0.30%安で終えた。不動産投資信託(REIT)、スイスの半導体大手STマイクロ・エレクトロニクスが下げた。一方で仏トタルエナジーズ、通信サービスの仏オレンジが上昇した。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次