ダウ反発344ドル高、決算期待で心理改善

 
 
13日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比344ドル23セント(1.0%)高の3万4564ドル59セントで終えた。ダウ平均は前日に1カ月ぶりの安値で終えており、短期的な自律反発を見込む買いが入った。13日から本格化する米主要企業の2022年1~3月期決算への期待も浮上し、相場を押し上げた。
 
朝方発表された3月の米卸売物価指数は前年同月比11.2%上昇と過去最大を更新し、コアも9.2%上昇と高い伸びを記録。インフレの高止まりを示す内容でいったん長期金利が上昇した。ただ、その後金利が低下に転じ、午前はハイテク株を中心に買われやすい展開となった。
また、この日発表された米デルタ航空の1~3月期決算は赤字だったものの、航空需要の回復を理由に4~6月期の業績改善が見込まれた。景気減速懸念がある一方、ホテルやレジャーなどの業界の動向に楽観的な見方も強まり、ダウは取引中盤以降じりじりと上げ幅を拡大した。
 
足元で下落が目立っていた景気敏感株の一角が買い直された。航空機のボーイングが4%上昇し、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスと機械のハネウェル・インターナショナルも高い。スポーツ用品のナイキや小売りのウォルマートなど消費関連株も上げた。米長期金利の低下で割高感が意識されていた高PER(株価収益率)のハイテク株も買われ、ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルはそれぞれ2%上昇した。
 
空運のデルタ航空は13日、旅客需要の増加から4~6月期の業績回復の見通しを示した。デルタ航空は上昇し、投資家心理の改善に伴う買いが他の旅行・レジャー関連銘柄に波及した。アメリカン航空グループやクルーズ船のカーニバルが大幅に上昇した。「四半期決算を見極めたいとして、これまで積み上げてきた売り持ち高を解消する動きにつながった」との声も聞かれた。
 
一方、13日発表の四半期決算が大幅減益だった銀行のJPモルガン・チェースは下落した。
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比272.015ポイント(2.0%)高の1万3643.587で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや電気自動車のテスラなど主力ハイテク株が総じて上げた。エヌビディアなど半導体株も買われた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,564.59+344.23
S&P500種
4,446.59+49.14
ナスダック
13,643.587+272.015
FTウィルシャー5000
45,362.15+573.01
NY金(ドル/トロイオンス)
1,984.70+8.60
NY原油(ドル/バレル)
103.71-0.54
円・ドル
125.60 – 125.66-0.45
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

13日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比650円高の2万6950円で引け、13日の大取終値を70円上回った。
13日の米株式相場は、3月生産者物価指数(PPI)の伸びが予想を上回り過去最大を記録したため、寄り付き後、下落。同時に、インフレがピークに近いとの見解が強まり、金利が低下に転じると安心感から買戻しが強まり、上昇に転じた日経平均先物も買われた。。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
 26950 ( +70 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
 26980 ( +100 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7580.80(+4.14)
13日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに小幅に反発した。前日に比べ4.14ポイント(0.05%)高の7580.80で引けた。原油先物価格の上昇で、エネルギー株に買いが入った。半面、インフレが消費の鈍化につながるとの懸念から小売関連株が売られ、上値を抑えた。
FTSEの個別銘柄を見ると、欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が3.8%高で上昇率トップ。金相場の上昇でメキシコ産金大手フレスニーヨも2.9%高と買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14076.44(-48.51)
13日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比48.51ポイント(0.34%)安の1万4076.44で終えた。ウクライナ情勢の長期化や資源高による欧州景気への不透明感から幅広いセクターに売りが出た。DAXでは独業務用ソフト大手SAPが1.5%安と軟調だった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6542.14(+4.73)
フランスCAC40種指数は0.08%高となった。
CACでは仏石油大手トタルエナジーズが1.2%高と締まった。
 
 

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