13日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比342ドル87セント高の4万4711ドル43セントで終えた。
トランプ米大統領はこの日、関税や非関税障壁の高い国・地域からの輸入品に相応の関税を課す「相互関税」の検討を関係省庁に指示した。「すぐに発動せず、詳細も詰まっていない」(日系証券)と、市場の危機感が後退し、幅広い銘柄に買いが広がった。
同日発表された米物価指標を背景に、インフレに対する不安が緩和された。米長期金利が低下したことも相場を支えた。
同日発表された米物価指標を背景に、インフレに対する不安が緩和された。米長期金利が低下したことも相場を支えた。
市場では交渉次第で関税が回避されるとの期待があり、広範囲にわたる関税がインフレを加速させるとの懸念がいったん後退した。
トランプ大統領は将来的に自動車などに追加の関税を課す考えも示したが詳細には踏み込まなかったと伝わっている。ダウ平均は午後に一段高となり、400ドル近く上昇する場面があった。
同日朝発表の1月の米卸売物価指数(PPI)は前月比の上昇率が0.4%とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%)を上回った。一方、医療関連など一部の項目は下落し、債券市場では2月下旬発表の1月の米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが大幅に強まることへの懸念が後退した面があった。米長期金利が前日の4.62%から4.5%台前半に低下(債券価格は上昇)し、株式の相対的な割高感がやや薄れた。
ダウ平均ではエヌビディアが3%あまり上げた。法人向けIT(情報技術)サービスを手掛けるヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)がエヌビディアの次世代半導体「GB200」を搭載したシステムを初めて出荷したと発表し、買いの手がかりとなった。12日夕発表の四半期決算が市場予想を上回ったシスコシステムズも上昇している。アップルも高い。一方、メルクがやボーイングが下げた。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比295.693ポイント(1.50%)高の1万9945.644で終えた。値ごろ感からの買いが入ったとみられ、テスラが大幅高だった。メタプラットフォームズは19連騰となった。
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比315円高の3万9480円で終えた。この日は日米で株式相場が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39480 ( +40 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39515 ( +75 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
13日の英FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比42.72ポイント(0.48%)安の8764.72で終えた。時価総額が大きい日用品の英ユニリーバとブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)がともに大きく下げ、指数を下押しした。
FTSEの構成銘柄では、24年12月期通期決算での、カナダでにおける訴訟関連費用の計上が嫌気された、たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコが8.81%安と急落。13日公表した2024年10〜12月期決算で、販売数量の伸びが市場予想に届かなかったユニリーバが5.64%安、バークレイズが4.71%安で続いた。他方、飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニーは7.41%高、包装資材大手モンディは5.20%高、航空・防衛大手BAEシステムズは3.18%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
13日のドイツ株価指数(DAX)は4日続伸し、前日比463.99ポイント(2.09%)高の2万2612.02で終えた。ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが後退するとの観測から、買いが入った。決算など個別の材料を受けた買いも指数を支えた。
個別では、13日公表した2024年10〜12月期決算で売上高が市場予想を上回った総合電機大手シーメンスが7.26%高、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が6.44%高、同業BMWが6.06%高と相場をけん引。半面、通信大手ドイツテレコムは1.55%安、ドイツ銀行は0.31%安、電力大手RWEは0.25%安だった。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40も4日続伸した。前日比1.51%高で終え、2024年5月以来の高値を更新した。欧州主要600社の株価指数であるストックス600は同1.08%上昇し、終値としての最高値を更新した。
