ダウ反発170ドル高、ハイテク株主導で

NYダウ工業株30種平均は反発し、前日比170ドル57セント(0.45%)高の3万7695ドル73セントで終えた。ハイテク株を中心に買いが入り、相場を支えた。週内発表の米経済指標が引き続きインフレ鈍化を示すとの見方に加え、米主要企業の好決算への期待も追い風となった。

先週起きた米アラスカ航空機の機体破損事故の影響で米航空機大手ボーイングが今週売り込まれたが、この日は反発に転じたこともあり、ダウは朝方から買い優勢で推移した。

米金融政策の動向を探る上で11日に公表される消費者物価指数(CPI)が注目され、取引中盤までは上値が重い展開。ただ、CPIでインフレの落ち着きが示されるとの期待感が根強い中、終盤はハイテク株に買いが集まり、ダウは過去最高値圏で堅調な値動きを示した。

個別では、ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォースといったハイテク株が相場をけん引した。市場では「年初に目立っていた短期的な利益確定目的の売りが一服したようだ」との声が聞かれた。

その他の個別ではホームセンターのホーム・デポやスポーツ用品のナイキ、保険のトラベラーズなどが買われた。半面、化学のダウやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、映画・娯楽のウォルト・ディズニーや石油のシェブロンは下げた。

ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比111.940ポイント(0.75%)高の1万4969.650で終えた。アナリストが目標株価を引き上げたメタプラットフォームズが買われた。エヌビディアも上昇し、3日続けて上場来高値を更新した。S&P500種株価指数は反発し、前日比26.95ポイント(0.56%)高の4783.45と22年1月以来の高値で終えた。一時は4790を付け、22年1月の最高値(4796)に迫った。

 

【債券】

ニューヨーク債券市場で長期債相場は3営業日ぶりに反落した。長期金利の指標となる表面利率4.500%の10年物国債利回りは前日比0.02%高い(価格は安い)4.03%で終えた。11日に2023年12月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、持ち高調整の売りが優勢だった。

ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想によると、12月のCPIは前月比0.2%上昇と、11月(0.1%)から伸び率が拡大すると見込まれている。前週発表の12月の米雇用統計で雇用者数と平均時給が市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測がやや後退している。CPIの内容を見極めたいとの雰囲気が強かった。

 

【為替】

ニューヨーク外国為替市場で円相場は対ドルで下落し、1ドル=145円台後半で推移している。円は対ユーロでも大幅に下落。欧州と日本の金融政策の差が改めて意識され、円売り・ユーロ買いが強まった。一時は1ドル=159円台後半と2023年12月上旬以来、約1カ月ぶりの円安・ユーロ高水準をつけた。

 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

10日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比980円高の3万4865円で終えた。同日は日経平均株価が約33年11カ月ぶりの高値で終え、シカゴ市場の先物にも買いが及んだ。

 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)

34865 ( +415 )

シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)

34900 ( +450 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100 7651.76(-32.20)

10日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ32.20ポイント(0.41%)安の7651.76で終えた。英バークレイズといった銀行や保険など金融株が下げ、指数を下押しした。1月6日までの16週間の売り上げ状況を公表したスーパーマーケット大手セインズベリーの株価が大きく下げ、同業他社にも売りが波及した。英シェルなどエネルギー株に売りが続いたのも重荷だった。

FTSEの構成銘柄では、通期業績見通しの据え置きが失望された流通大手セインズベリーが6.34%安と急落。自動車保険のアドミラル・グループは5.62%安、通信大手BTも3.64%安だった。

一方、住宅大手バークリー・グループは2.34%高、品質検査会社インターテックは2.24%高、インターコンチネンタル・ホテルズ・グループは1.73%高だった。

 

 

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

 

DAX 16689.81(+1.45)

10日のドイツ株価指数(DAX)は前日比1.45ポイント高の1万6689.81と前日から横ばい圏で終えた。前日終値を挟んでもみ合い、明確な方向感に乏しい展開だった。一部金融機関が目標株価を引き上げたソフトウエアのSAP株が上昇した。半面、ヘルスケア関連や公益株には売りが出た。

前日発表のドイツの鉱工業生産が弱い内容だったことは引き続き、重荷となった。米金融政策を予想する材料となる2023年12月の米消費者物価指数(CPI)の発表を11日に控え、積極的な買いが入りにくかった面もある。

個別では、医療機器のザルトリウスが2.59%安、製薬大手バイエルが2.35%安、分子診断大手キアゲンが2.18%安と売られた。半面、セメント大手ハイデルベルクセメントは2.30%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.00%高、業務用ソフトウエア大手SAPは1.98%高で取引を終えた。
 
 
 

■フランス・パリ株価指数

CAC40 7426.08(-0.54)

フランスCAC40種指数は0.01%安だった。米早期利下げ観測の後退が引き続き相場の重しとなった。原油安もエネルギー株や資源株の売りにつながった。

 

 

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