ダウ反発141ドル高、米景気楽観根強く

 
6日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比141ドル24セント(0.36%)高の3万8521ドル36セントで終えた。米国経済の軟着陸(ソフトランディング)期待が支えとなった。半面、最近の株高をけん引していた半導体関連を中心に売りが出て、投資家心理の重荷となった。ダウ平均は伸び悩む時間帯が多かったが、引けにかけて上げ幅を広げた。
 
朝方は米主要経済指標などの手掛かりに乏しかったが、ダウは前日に270ドル余り下げた反動もあり、買いが優勢な展開。上げ幅は一時160ドルを超えたが、取引序盤の買い一巡後は上値を削った。その後はプラス圏は維持したものの、上値を追うには強材料に欠け、大半の取引で3万8400ドル台を中心に比較的狭いレンジでの値動きが続いた。
 
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言で早期の米利下げ観測は後退しているが、米企業決算も堅調な内容が目立つ中、米景気に対する楽観的な見方は多く、ダウは引け際に上げ幅を拡大して取引を終えた。
米債券市場で長期金利は前日に比べ0.09%低い4.07%を付ける場面があった。前週発表の1月の米雇用統計など米経済の底堅さを示す経済指標を背景にした長期金利の上昇が一服した。金利の低下で株式の相対的な割高感が薄れるとみた買いが入った。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、地銀のニューヨーク・コミュニティ・バンコープが急落した。米連邦議会下院の金融サービス委員会に出席したイエレン財務長官が商業用不動産を巡る懸念を表明し、嫌気した売りが出た。市場では「商業用不動産向け融資を巡る銀行の経営不安への懸念などは残るものの、米経済の軟着陸期待は強い」との声があった。

クリーブランド連銀のメスター総裁は6日、インフレ率が持続的に2%に戻るという証拠がないまま、「政策金利を早急に引き下げるのは間違いだ」と述べたと伝わった。

個別では、スポーツ用品のナイキと映画・娯楽のウォルト・ディズニーが上昇した。化学のダウとスマートフォンのアップルも買われた。半面、バイオ製薬のアムジェンと顧客情報管理のセールスフォースが下げた。

ナスダック総合株価指数は小幅に反発した。前日比11.321ポイント(0.07%)高の1万5608.998で終えた。電気自動車のテスラが上昇した。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が下げた。年初から上昇が目立っていた半導体株には利益確定売りが出たとの見方があった。主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1%あまり下げた。

 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 

6日のシカゴ日経平均先物は下落し、3月物は前日比365円安の3万5970円で終えた。
この日のNYダウは、米景気に対する楽観的な見方が根強い中、反発したものの、日経平均株価は下げておりシカゴ市場の先物には売りが優勢となった。
外国為替市場で円安・ドル高が一服したのも輸出採算の改善期待を後退させ、先物相場の重荷となった。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
35970 ( -110 )


シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
35995 ( -85 )


( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7681.01(+68.15)
 
6日のFTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反発し、前日比68.15ポイント(0.89%)高の7681.01で終えた。2023年10〜12月期の決算とあわせて自社株買い計画を示した英BPがけん引する形でエネルギー株が買われ、指数を押し上げた。

中国当局が中国本土の株式市場支援策を打ち出したことを支えに、英金融大手HSBCホールディングス株や英銀スタンダードチャータード株にも買いが入った。

FTSEの構成銘柄では、好調な決算や自社株買いなどを発表した石油大手BPが5.46%高で上昇率トップ。エンジニアリング会社ウィアーグループが4.15%高、保険大手プルデンシャルが3.84%高で続いた。一方、教育・メディア大手ピアソンは2.99%安、通信大手BTは2.50%安、賭け屋大手エンテインは2.40%安。

 

 

 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17033.24(+129.18)

6日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。終値は前日比129.18ポイント(0.76%)高の1万7033.24と5営業日ぶりに最高値を更新した。中国当局が株式市場の支援策を打ち出したことを支えに6日のアジア市場で中国や香港の株式相場が上昇し、投資家心理が上向いた。

欧州時間6日の取引で欧米金利が水準を切り下げたことも好感された。

個別では、分子診断大手キアゲンが4.94%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.33%高、製薬大手バイエルが2.15%高と買われた半面、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは3.04%安、電力大手RWEは2.65%安、高級車メーカーのポルシェは1.60%安で引けた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7638.97(+49.01)

フランスCAC40種指数は0.65%高だった。エネルギーや資源、高級ブランドといった中国関連銘柄に買いが入った。

株ちゃんofficial xはこちら!
目次