ダウ平均の構成銘柄ではないが、地銀のニューヨーク・コミュニティ・バンコープが急落した。米連邦議会下院の金融サービス委員会に出席したイエレン財務長官が商業用不動産を巡る懸念を表明し、嫌気した売りが出た。市場では「商業用不動産向け融資を巡る銀行の経営不安への懸念などは残るものの、米経済の軟着陸期待は強い」との声があった。
クリーブランド連銀のメスター総裁は6日、インフレ率が持続的に2%に戻るという証拠がないまま、「政策金利を早急に引き下げるのは間違いだ」と述べたと伝わった。
個別では、スポーツ用品のナイキと映画・娯楽のウォルト・ディズニーが上昇した。化学のダウとスマートフォンのアップルも買われた。半面、バイオ製薬のアムジェンと顧客情報管理のセールスフォースが下げた。
ナスダック総合株価指数は小幅に反発した。前日比11.321ポイント(0.07%)高の1万5608.998で終えた。電気自動車のテスラが上昇した。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が下げた。年初から上昇が目立っていた半導体株には利益確定売りが出たとの見方があった。主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1%あまり下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
中国当局が中国本土の株式市場支援策を打ち出したことを支えに、英金融大手HSBCホールディングス株や英銀スタンダードチャータード株にも買いが入った。
FTSEの構成銘柄では、好調な決算や自社株買いなどを発表した石油大手BPが5.46%高で上昇率トップ。エンジニアリング会社ウィアーグループが4.15%高、保険大手プルデンシャルが3.84%高で続いた。一方、教育・メディア大手ピアソンは2.99%安、通信大手BTは2.50%安、賭け屋大手エンテインは2.40%安。
6日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。終値は前日比129.18ポイント(0.76%)高の1万7033.24と5営業日ぶりに最高値を更新した。中国当局が株式市場の支援策を打ち出したことを支えに6日のアジア市場で中国や香港の株式相場が上昇し、投資家心理が上向いた。
欧州時間6日の取引で欧米金利が水準を切り下げたことも好感された。
個別では、分子診断大手キアゲンが4.94%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.33%高、製薬大手バイエルが2.15%高と買われた半面、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは3.04%安、電力大手RWEは2.65%安、高級車メーカーのポルシェは1.60%安で引けた。
フランスCAC40種指数は0.65%高だった。エネルギーや資源、高級ブランドといった中国関連銘柄に買いが入った。
