ダウ反発139ドル高、雇用回復で消費関連株に買い 

1日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比139ドル92セント(0.4%)高の3万4818ドル27セントで終えた。
 
米労働省が1日発表した3月の雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月比43万1000人増と、堅調な伸びを維持。失業率は3.6%に低下した。米労働市場の底堅さが確認され、ダウ平均は上昇して取引が始まった。
 
一方、雇用統計では、平均時給が前年同月比5.6%増と高い伸びを示し、インフレ圧力が増大するとの懸念が拡大。インフレ抑制のため、FRBが一層利上げを急ぐとの見方が強まり、ダウ平均は、前日終値比マイナス圏で取引される時間帯も多かった。市場では「FRBは5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)だけでなく、6月にも0.5%の大幅利上げをする可能性がある」との声が出ている。
 
雇用統計で景気動向を映す非農業部門の雇用者数は前月比43万1000人増と市場予想(49万人増程度)を下回ったが、過去2カ月分は大きく上方修正された。労働参加率が上昇するなか、失業率は2月の3.8%から3.6%に低下し、市場予想(3.7%)も下回った。平均時給は前年同月比で市場予想以上に増えた。労働市場の引き締まりを示したと受け止められた。
 
堅調な雇用が消費を支えるとの見方から消費関連株が買われ、クレジットカードのビザが2%上昇。小売りのウォルマートやホームセンターのホーム・デポも上げた。製薬のメルクや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株の一角も買われた。取引終了にかけて上げ幅を広げる銘柄もあり、「新たな四半期を迎えて、株式市場に投資資金が流入するとの期待は強い」(ナショナル・セキュリティーズのアート・ホーガン氏)との声があった。
 
ダウ平均は下落する場面があった。半導体株全般が軟調に推移し、インテルは3%下落した。アナリストが注目銘柄リストから外したスマートフォンのアップルは小安い。前日に業績の先行き不透明感から大きく下げたドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスは引き続き売りが優勢だった。1日の米債券市場では米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め観測の高まりを背景に2年債が10年債利回りを上回る「逆イールド(長短金利の逆転)」の状態となった。利ざや縮小の観測からJPモルガン・チェースなど金融株も売られた。
 
ナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発し、前日比40.981ポイント高の1万4261.500で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)やネット検索のアルファベットが上昇した。一方、クアルコムやエヌビディアなど半導体は総じて安い。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,818.27+139.92
S&P500種
4,545.86+15.45
ナスダック
14,261.500+40.981
FTウィルシャー5000
46,440.81+187.76
NY金(ドル/トロイオンス)
1,923.70-30.30
NY原油(ドル/バレル)
99.42-0.86
円・ドル
122.50 – 122.52+0.87
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

1日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比260円高の2万7795円で引け、1日の大取終値を135円上回った。
5月連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が強まったことが警戒されたほか、長短金利の逆転で景気後退懸念も浮上し、一時下落に転じた。しかし、第2四半期入りで新規投資が下支えとなり、再び上昇。引けにかけて上げ幅を拡大した。
日経平均先物は米株とともに買われた。円安や原油相場の続落も支援材料だった。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27795 ( +135 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27840 ( +180 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

1日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ22.22ポイント(0.30%)高の7537.90で引けた。ロシア産天然ガスの供給停止への懸念が後退し、見直し買いが入った。個別銘柄を見ると、英鉱業大手アングロ・アメリカン(2.4%高)、英・豪系資源大手リオ・ティント(同)、スイス資源大手グレンコア(1.5%高)など資源株が締まった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

1日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに反発し、前日比31.73ポイント(0.22%)高の1万4446.48で終えた。前日までの続落で、短期的な自律反発を見込んだ買いが優勢だった。
ドイツ銀行が2.7%高と堅調だった。

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.37%高となった。
3月の米雇用統計が堅調な内容となり、欧州でも投資家の買い安心感が広がった。CACでは仏製薬大手サノフィが1.7%高と買われた。
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次