23日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比108ドル82セント(0.3%)高の3万3153ドル91セントで終えた。ダウ平均は直近2日間で780ドルあまり下げた後で、自律反発を見込んだ買いが入った。ただ、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが長引くとの見方は相場の重荷だった。
前日に市場予想を上回る決算を発表した米半導体大手エヌビディアが寄り付きから急伸したのを受け、ハイテク株全般に買いが波及。取引序盤のダウは買い優勢で推移した。
ただ、前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、参加者が高インフレを懸念し、利上げ継続が適切との見解で一致していたことが明らかになっており、この日も金融引き締め長期化懸念が根強い状況。最新週の週間新規失業保険申請件数も予想外に改善し、労働市場の需給逼迫(ひっぱく)も示され、序盤の買い一巡後は売りが膨らみ、ダウはマイナス圏に沈んだ。
米長期金利は朝方に3.97%(前日終値は3.91%)と昨年11月以来の高水準を付けた後は上昇が一服した。午後は3.9%を下回って推移する時間帯が長かったことも、株価の支えとなった。
半面、インフレの高止まりや労働需給の逼迫を背景にFRBの利上げ停止時期が遠のくとの観測は相場の重荷となり、ダウ平均は250ドル近く下げる場面もあった。朝方発表された2022年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)改定値で、物価指標のGDPデフレーターや個人消費支出(PCE)物価指数などが上方修正された。週間の米新規失業保険申請件数も小幅に市場予想を下回った。
ダウ平均の構成銘柄ではソフトウエアのマイクロソフトが高い。航空機のボーイングやホームセンターのホーム・デポ、銀行のJPモルガン・チェースも買われた。米原油先物相場が上昇し、石油のシェブロンも上げた。一方、通信のベライゾン・コミュニケーションズや小売りのウォルマート、外食のマクドナルドは売られた。
業種別では、IT、エネルギー、不動産が堅調。通信、公益は軟調だった。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比83.331ポイント(0.7%)高の1万1590.401で終えた。エヌビディアの急伸に連れ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマイクロン・テクノロジーなど半導体株が買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
23日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比200円高の2万7230円で引けた。
前日に市場予想を上回る決算を発表した米半導体大手エヌビディアが寄り付きから急伸した。自律反発を見込んだ買いで米主要株価指数が上昇し、日経平均先物にも買いが入った。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27230 ( +100 )
27235 ( +105 )
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7907.72(-22.91)
23日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日に比べ22.91ポイント(0.29%)安の7907.72で終えた。23日発表した2022年12月期通期決算が減収減益となった資源大手アングロ・アメリカンが下落した。非鉄金属相場の下げも重荷となり、ほかの資源関連株に売りが波及した。
構成銘柄の5割強が下落。個別では、自動車保険大手アドミラル・グループが5.5%安と最も下げがきつく、包装資材大手モンディが4.8%安、産金大手エンデバー・マイニングが3.2%安で続いた。一方、良好な決算と業績見通しを発表した航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは23.7%高と急伸した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数 DAX 15475.69(+75.80)
23日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前日に比べ75.80ポイント(0.49%)高の1万5475.69で終えた。暖冬やエネルギー価格の下落により、ユーロ圏の景気後退への懸念が和らいでいる。自動車や資本財など景気敏感株の一角が買われた。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.0%高、同業イーオンと不動産大手ボノビアが1.7%高、半導体大手インフィニオンが1.6%高。半面、人工透析企業フレゼニウス・メディカルケアは5.2%安、ヘルスケア大手フレゼニウスは4.8%安、ミュンヘン再保険は1.8%安となった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7317.43(+18.17)
フランスCAC40種指数は0.25%高だった。欧州市場では半導体などハイテク株を中心に買いが入った。ただ、英国市場は銀行やヘルスケアなどの銘柄が配当落ちで売られ、相場の重しとなった。
