2018年最初の取引2日のNYダウ工業株30種平均は17年の最終売買日だった12月29日に比べ104ドル79セント高の2万4824ドル01セントと反発で終えた。
米景気への楽観的な見通しが根強く、買いが先行した。為替相場でドル安が進行したことが好感されたほか、ハイテク株に買いが広がり、終日堅調推移となった。
ダウ平均の上げ幅は一時140ドルを超えた。
イランや北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒感が広がったものの、相場への影響は限られた。
JPモルガン・チェースと英金融情報会社IHSマークイットが2日発表した17年12月の世界の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、約7年ぶりの高水準になった。新規受注や雇用などの個別指数の伸びが目立った。世界的な景気拡大を受け、米企業の業績好調が続くとの見方が広がった。
ナスダック総合株価指数は前年末比103.509ポイント高の7006.898と昨年12月18日以来ほぼ2週ぶりに過去最高値を更新し、初めて7000台に乗せた。マイクロン・テクノロジーやエヌビディアなど半導体株、フェイスブックやアルファベット(グーグル)など主力ネット銘柄が大きく上げ、指数を押し上げた。
セクター別では、メディアや半導体・半導体製造装置が上昇する一方で保険や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
個別では、エンターテイメントのウォルト・ディズニー(DIS)と動画配信サービスのネットフリックス(NFLX)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け、上昇した。目標株価が上方修正された外食のマクドナルドが高い。金融機関が新型スマートフォン「iPhoneX」の18年の販売に楽観的な見通しを示したアップルも上昇した。
ネット小売のアマゾン(AMZN)による買収の思惑が浮上したディスカウントストアのターゲットが上昇。店舗増設に伴う増員計画を発表した百貨店ノードストロームも上げ、小売り関連全般が高く推移した。
一方、ダウ平均構成銘柄で保険のトラベラーズや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ホームセンターのホーム・デポなどが下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,824.01 +104.79
S&P500種
2,695.81 +22.20
ナスダック
7,006.898 +103.509
NY金(ドル/トロイオンス)
1,316.10 +6.80
NY原油(ドル/バレル)
60.43 +0.06
円・ドル
112.17 – 112.18 -0.07
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。3月物は前週末比125円高の2万2825円で引け、前週末の大取終値を75円上回った。世界的な好景気への期待などから米株が反発し、日本株も連れ高した。
円が上昇し、上値を抑える場面もあった。この日の3月物高値は2万2895円、安値は2万2615円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
22825 ( +75 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
22855 ( +105 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
祝日明け2日のロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前週末の2017年12月29日の終値に比べ39.67ポイント安の7648.10で引けた。たばこ株と石油株の下げが指数を押し下げ、構成銘柄の約7割が下落した。
たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコとインペリアル・ブランズが下がった。石油株も売られた。
BPは米税制改革について、長期的には業績にプラスになると予想するものの、2017年10月~12月期には一時的に15億ドルの費用をもたらすとの見通しを示し、売られた。
個別では、オールド・ミューチュアルなど保険株も売られた。害虫駆除のレントキル・イニシャルと、資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーンの下げも大きくなった。
半面、午前に売られた鉱業株は上昇に転じた。アングロ・アメリカンの上げが目立った。
航空株も買われた。インターナショナル・エアラインズ・グループは、経営破綻した独エアベルリンの元傘下にあったオーストリアのニキ航空の資産を買収すると発表し、上昇した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
祝日明け2日のフランクフルト株式市場で、ドイツ株式指数(DAX)は5日続落した。終値は前週末の2017年12月29日に比べて46.25ポイント安の12871.39だった。
個別では、日用品のバイヤースドルフと、航空のルフトハンザ、消費財のヘンケルが売られた。一方で、電力のRWEとコメルツ銀行は上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏) 5,288.60 -23.96
