17日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前週末比100ドル71セント(0.3%)高の3万3987ドル18セントで終えた。
この日は米主要経済指標の発表に乏しく、手掛かり難となる中、ダウは取引序盤から前週末終値を挟んで小動きに推移。翌日発表されるバンク・オブ・アメリカなどの米金融機関の決算の内容を見極めたいとのムードも広がり、取引中盤は弱含みの展開が続いた。
ただ、ダウは終盤に入るとプラス圏に浮上し、取引終了間際に買いが強まり、高値近辺で引けた。この日決算を明らかにした金融関連企業の一角が朝方売られた後に値を戻したため、買い安心感につながったとの指摘が聞かれた。
17日発表の4月のニューヨーク連銀製造業景況指数は10.8と3月(マイナス24.6)から改善し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(マイナス15)も上回った。これを受けて景気敏感株の一角が買われ、航空機のボーイングや工業製品・事務用品のスリーエムが上昇した。消費関連株であるホームセンターのホーム・デポも高かった。
ダウ平均は下げに転じる場面もあった。経済指標の上振れで米連邦準備理事会(FRB)が利上げを続けやすくなるとの見方が意識され、相場の重荷となった。今週は大手金融のほか動画配信のネットフリックスや電気自動車のテスラなど大手ハイテク企業の決算発表が予定されている。投資家心理を左右する可能性もあり、内容を見極めようと様子見の投資家も多かった。
医療保険のユナイテッドヘルス・グループや石油のシェブロン、バイオ製薬のアムジェンは下落した。
ナスダック総合株価指数は反発した。前週末比34.258ポイント(0.3%)高の1万2157.724で終えた。韓国サムスン電子が自社のスマートフォンに通常使用する検索エンジンをグーグルからマイクロソフトの「ビング」に切り替えることを検討していると伝わり、グーグル親会社のアルファベットが下落した。
8
【シカゴ日本株先物概況】
17日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前週末比100円高の2万8590円で終えた。
NYダウは、米企業の決算発表本格化を控えて様子見姿勢が強まる中、反発した。
米経済指標の改善を受けて米株式相場が上昇し、日経平均先物も買いが優勢だった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28590 ( +60 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28625 ( +95 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7879.51(+7.60)
17日のFTSE100種総合株価指数は小幅に7日続伸した。前日に比べ7.60ポイント(0.10%)高の7879.51と、3月9日以来約1カ月ぶりの高値で終えた。金融引き締め継続による英景気懸念がくすぶるなか、日用品や飲食料品・たばこ、食品・生活必需品小売りなどディフェンシブ銘柄に買いが入った。半面、前週末に上昇していた銀行株に利益確定の売りが出て、指数の上値を抑えた。
個別では、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が3.0%高で上昇率トップ。工業・電子製品大手RSグループは2.9%高、エンジニアリング大手ウェイアー・グループと建機レンタルのアシュテッド・グループ、オカド・グループが2.4%高で続いた。一方、資産運用大手アバディーンは2.5%安、金融大手バークレイズは2.3%安、保険大手プルデンシャルは2.1%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15789.53(-17.97)
17日のドイツ株価指数(DAX)は6営業日ぶりに反落した。前週末に比べ17.97ポイント(0.11%)安の1万5789.53で終えた。前週末まで5日続伸し、その間の上昇率が2%近くに達していたため、目先の利益を確定する目的の売りが優勢だった。前週末に上昇していた金融や自動車などが下落した。
個別では、コメルツ銀行が3.5%安、ミュンヘン再保険とハノーバー再保険が2.6%安、ドイツ銀行が2.2%安。半面、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは2.5%高、航空機大手エアバスは1.5%高、商用車大手ダイムラー・トラックは1.2%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7498.18(-21.43)
連日で過去最高値を更新していたフランスの株価指数CAC40も17日は6営業日ぶりに反落し、前営業日に比べて0.28%安の7498.18で終えた。
