1月31日のNYダウ工業株30種平均は前日比72ドル50セント高の2万6149ドル39セントと3営業日ぶりに反発で終えた。
ダウ平均は月間では10カ月続伸し、1958年3月~59年2月の12カ月続伸以来、59年ぶりの連続上昇記録となった。
1月ADP雇用統計が予想を大幅に上振れたほか、昨日の株価下落を受けた買い戻しも広がり買いが先行した。
複数の主要企業決算も好感された。米連邦公開市場委員会(FOMC)では大方の予想通り、政策金利が据え置かれた。18年の利上げ継続方針が維持され、3月の利上げが確実視されたことから、発表後に株価は上げ幅を縮小し、上値の重い展開となった。
ボーイングは市場予想を上回る四半期決算と通期予想を発表し、株価は4.9%上昇した。1銘柄でダウ平均を114ドルあまり押し上げた。同社を除けばダウ平均はマイナスだった。
午前中のダウ平均は一時251ドル高まで上げた。ボーイング株の上昇に加え、前日までの2日間に約540ドル下げたため、自律反発を見込んだ買いが幅広く入った。
トランプ米大統領による30日夜の一般教書演説は貿易や移民政策などで過激な発言が目立たず、相場全体への影響は限られた。
ただ、トランプ氏が薬価の引き下げを優先課題のひとつに挙げたため、メルクやバイオジェンなど製薬関連株には収益圧迫への警戒感から売りが優勢となった。
ナスダック総合株価指数は同9.000ポイント高の7411.482で終えた。
セクター別では、不動産や公益事業が上昇する一方で医薬品・バイオテクノロジーや食品・生活必需品小売が下落した。
個別では、複写機のゼロックス(XRX)は富士フィルムとの統合を発表し、買われた。半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)や、ビデオゲームメーカーのエレクトリック・アーツ(EA)は決算内容が予想を上振れ、上昇した。
一方、前日夕発表の決算を受けてアナリストによる目標株価の引き下げが相次いだ通信機器のジュニパー・ネットワークスが急落。製薬大手のイーライ・リリー(LLY)は好決算を発表したものの、動物向け医薬品事業が業績の重しとなり下落した。
VIX指数は13.54と低下(前営業日14.79)。主要米株価指数が軒並み史上最高値を更新した先週末26日以降に続いた調整は一巡した。NY市場で株高が先行した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)でインフレ上昇見通しが示されて米長期金利が上昇すると、株価調整が強まった。しかし下値では底堅かった。VIX指数は昨日につけた昨年8月18日以来、5カ月ぶり以上となる上振れ水準15.42からの下押しを、一時13.41まで進めた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,149.39+72.50
S&P500種
2,823.81+1.38
ナスダック
7,411.482+9.000
米10年債利回り(%)
2.7125 -0.013
米2年債利回り(%)
2.1486 +0.025
NY金(ドル/トロイオンス)
1,343.10+3.10
NY原油(ドル/バレル
64.82+0.32
円・ドル
109.17 – 109.18 +0.48
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅反発した。3月物は前日比70円高の2万3260円で引け、前夜の大取終値を170円上回った。
NY株の反発や円安を好感する買いが入った。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受け米長期金利が上げ、米株とともに伸び悩む場面もあった。
この日の3月物高値は2万3360円、安値は2万3070円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23260 ( +170 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23285 ( +195 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7533.55(-54.43)
FTSE100種総合株価指数は続落した。前日終値に比べ54.43ポイント安の7533.55で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
株価指数は午前に下げに転じた後、医薬品株の下げ幅拡大が指数を押し下げ、午後遅くに一段安となった。エネルギーや金融など景気循環株に利益確定目的の売りも広がった。
医薬品のシャイアーとアストラゼネカの下げが大きくなった。株価指数への寄与度が高い石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルも売られた。ロイズ・バンキング・グループなど銀行株も下がった。バラット・ディベロップメンツやパーシモンなど住宅建設株も売られた。
半面、鉱業・化学のジョンソン・マッセイは4%超上昇した。同社の英自動車向けバッテリー・システム部門を米産業用エンジン製造のカミンズが買収すると発表された。
電力のSSEも高くなった。天候の影響で風力発電が増加したことから、通期利益見通しを引き上げたことが好感された。航空・防衛のBAEシステムズと、航空機エンジンのロールス・ロイスも堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13189.48(-8.23)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続落した。終値は前日比8.23ポイント安の13189.48だった。
四半期決算を発表した半導体のインフィニオンテクノロジーズが売られた。鉄鋼のティッセン・クルップと医薬・化学大手の独メルクも下落した。
一方で、四半期決算を発表した重電のシーメンスも上がった。同社の最高財務責任者(CFO)が電力とガスの市場が底入れに近づいていると述べたことなどが好感された。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5481.93(+8.15)
