ダウ反発し29ドル高 買い戻し広がる。ナスダック指数は続落

21日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前週末比29ドル24セント高の2万1703ドル75セントで終えた。
 
主要経済指標の発表に乏しい中、トランプ政権の先行き不透明感が高まっているほか、米韓の合同軍事演習が開始されたことで北朝鮮情勢を巡る地政学リスクが懸念され、寄付き後から下落した。その後は、週末に開催される金融・経済シンポジウムの講演内容を見極めたいとの思惑から買い戻しも広がり、小動きとなった。
 
足元で株価が大きく下げたホームセンターのホーム・デポやネットワーク機器のシスコシステムズなどに買い戻しが入り、ダウ平均を押し上げた。
 
ただ、債務上限の引き上げ問題など米政治の混迷を巡る警戒感は根強い。トランプ米大統領は21日夜に米軍が駐留するアフガニスタンに関する新戦略を発表する予定。北朝鮮情勢と並び地政学リスクが意識されやすく、相場の上値は重かった。
 
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長による25日の米ワイオミング州ジャクソンホールでの講演内容を見極めたいとして積極的な買いを見送るムードも強かった。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、同3.400ポイント安の6213.127で終えた。アマゾン・ドット・コムなど主力株の一角が売られ、指数を押し下げた。
 
セクター別では、不動産や電気通信サービスが上昇する一方で耐久消費財・アパレルや半導体・半導体製造装置が下落した。
 
エネルギーのセンプラ・エナジーが上昇。著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが買収を表明していた送配電のオンコー・エレクトリック・デリバリーを買収すると発表し、事業拡大への期待が強まった。健康食品のハーバライフ(HLF)は株式非公開化の協議を打ち切る一方で、最大6億ドルのTOB(株式公開買い付け)を発表し、上昇した。最高経営責任者の交代時期を早めると発表した住宅設備のジョンソン・コントロールズが高い。
 
一方、スポーツ用品のナイキ(NKE)は一部アナリストによる投資判断引き下げを受け、売られた。給与計算代行のオートマチック・データ・プロセシング(ADP)はアクティビスト(物言う投資家)のビル・アックマン氏率いるパーシング・スクエア・キャピタルが提案した3名の取締役候補の起用を拒否し、軟調推移した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
21,703.75+29.24             
S&P500種
2,428.37+2.82
ナスダック
6,213.127-3.400
 
NY原油(ドル/バレル)  
47.44+0.07
円・ドル108.94 – 108.95  +0.01
米10年債利回り2.182 ( -0.014 )


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は4日続落した。9月物は前週末比125円安の1万9320円で引け、大阪取引所の終値を40円下回った。円相場の上昇を嫌気した売りが優勢だった。
北朝鮮などの地政学リスクやトランプ米政権の先行きに警戒感が広がり、リスク回避局面で買われやすい円に資金が流入した。9月物安値は1万9255円、高値は1万9540円
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
19320 ( -40 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
19330 ( -30 )
( )は大阪取引所終値比
 
【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7318.88(-5.10)

FTSE100種総合株価指数は3日続落した。前週末終値に比べ5.10ポイント安の7318.88で引けた。上昇・下落銘柄数はほぼ拮抗した。
北朝鮮情勢を巡る地政学リスクに対する警戒感が引き続き相場の重荷になった。もっとも夏季休暇に入っている市場参加者も多く、取引は低調だった。
医薬品株が全面安となる中、最高財務責任者(CFO)が年末に辞任し他社に移籍すると伝わったシャイアーが大幅下落した。
金融サービスのプロビデント・ファイナンシャルも大幅安となった。保険株も売りに押された。
半面、銅価格の大幅上昇を背景に鉱業株が軒並み上げた。午前は売りが先行していた銀行のロイズ・バンキング・グループとスタンダードチャータード銀行は上昇して引けた。たばこ株も買われた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12065.99(-99.20)

ドイツ株式指数(DAX)は3日続落。終値は前週末比99.20ポイント安の12065.99だった。ほぼ全面安で引けた。
銀行株が安かったほか、鉄鋼のティッセン・クルップと電力のエーオンの下げも目立った。一方で航空のルフトハンザと不動産のボノビアの2銘柄が小幅高となった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5087.59(-26.56)
 

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