12日のNYダウ工業株30種平均は小反発し、前日比27ドル70セント高の3万1458ドル40セントと過去最高値を更新して終えた。
ダウ平均は史上最高値圏で推移しており、この日は高値への警戒感から当面の利益を確保する売りが先行、マイナス圏でもみ合う展開が続いた。ただ、バイデン米政権が打ち出す1兆9000億ドル規模の大型経済対策への期待から、下値は堅く、終盤にプラス圏に浮上した。前日にバイデン大統領が、製薬のファイザーおよびバイオ製薬のモデルナと新型コロナウイルスワクチンの追加購入契約を結んだと発表したことも、相場を下支えした。既存の発注分も含め、7月末までに約3億人の米国民に2回の接種ができる在庫を確保する見込みといい、経済活動の正常化への期待が高まった。、また、米長期金利の上昇を受け、金融や素材など景気敏感株が上昇した。
経済規模の大きいニューヨーク州では12日から人数を定員の25%までに絞った上で店内飲食が再開された。23日からはスポーツや音楽イベントなども収容人数を制限して再開となる見込みだ。行動規制の緩和が、景気回復を促すとの観測が強まった。
景気回復への期待から米長期金利の指標である10年債利回りが上昇。利ざや拡大の期待からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が買われた。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや、化学のダウ、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株の上昇が目立った。
一方、米ミシガン大学が12日発表した2月の消費者景況感指数は76.2となり、前月から低下。市場予想も下回った。個人消費失速への懸念が相場の足を引っ張った。
「決算シーズンが終盤となったこともあり、新たな材料待ちでいったん利益を確定する売りが出た」との声も聞かれた。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比69.700ポイント(0.5%)高の1万4095.474と連日で過去最高値を更新した。インテルやクアルコムなど半導体銘柄の一角が上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
31,458.40+27.70
S&P500種
3,934.83+18.45
ナスダック
14,095.474+69.700
NY金(ドル/トロイオンス)
1,823.20-3.60
NY原油(ドル/バレル)
59.73+1.49
円・ドル
104.94 – 104.96+0.43
【シカゴ日本株先物概況】
12日のシカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前日比160円高の2万9615円で引け、12日の大取終値を235円上回った。引けにかけて米株が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。
NYダウは、2月のミシガン大消費者マインド指数が予想外に低下したことや3連休前の利益確定売りが優勢となり寄り付き後、下落した。ただ、下院歳入委員会が1400ドルの個人向け現金給付を柱とする5935億ドル規模の家計支援策を可決しバイデン政権の追加経済対策成立期待が高まったほか、大統領が製薬大手ファイザー、モデルナと新型コロナワクチンの追加供給契約し全国民の接種分を確保したと発表したことなどが下支えとなり引けにかけ上昇に転じた。今週末の3連休を控え、持ち高調整の動きもみられた。
この日の3月物高値は2万9665円、安値は2万9305円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
29615 ( +235 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
29625 ( +245 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
12日のFTSE100種総合株価指数は医療株や保険株が上昇を主導。終盤に買いがふくらんで続伸した。前日の終値に比べ61.07ポイント高の6589.79で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
原油相場の上昇に伴い石油株が買われ、医薬品株の上昇とともに株価指数の上げに大きく影響した。
個別銘柄では、保険会社セントジェームズ・プレイスが3.9%高。英製薬大手アストラゼネカは3.1%高と上昇が目立った。出版のRELXはアナリストによる株価目標引き上げなどが好感され買われた。
一方、英ホームセンター大手キングフィッシャーは2.2%安、英エネルギー大手SSEは1.9%安、英流通大手テスコは1.6%安と下げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
12日のドイツ株式指数(DAX)は小幅に続伸した。終値は前日と比べて8.98ポイント(0.1%)高の1万4049.89だった。
個別では、ドイツ銀行と透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアが買われた。自動車のフォルクスワーゲン(VW)は売られた。1月のVWグループの納入台数が減少したことなどが嫌けされた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,703.67 +33.85
