ダウ反発 FRB議長発言を好感

27日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比436ドル05セント(1.4%)高の3万2197ドル59セントで終えた。

 
米連邦公開市場委員会(FOMC)後の米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言を受け、先行きの金融引き締めペースの鈍化を見込んだ買いが入った。決算発表を好感した買いがハイテク株を中心に入ったことも相場を押し上げた。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は4.1%高と今年最大の上昇率になった。
 
FRBは午後に発表したFOMC声明で、高インフレ対策として2会合連続となる0.75%の大幅利上げ決定を表明。利上げ幅をめぐっては6月の消費者物価指数が上振れし、市場では1.0%の利上げへの警戒感も浮上していた。
 
パウエル議長は記者会見で、今後の金融引き締めはデータ次第になるとの見方を示し、利上げにさほど積極的な姿勢ではないとの見方が台頭。午前からハイテク株主導で値を上げていたダウは、この発言などが支援材料となり、午後に上げ幅を拡大した。
 
決算発表を好感した買いがハイテク株を中心に入ったことも相場を押し上げた。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は4.1%高と今年最大の上昇率になった。
 
ソフトウエアのマイクロソフトが7%高で終えた。26日夕に発表した2022年4~6月期決算は市場予想に届かなかったが、主力のクラウド事業の堅調や業績見通しが好感された。ダウ平均の構成銘柄ではないが、検索サイトのアルファベットは8%高で終えた。26日夕発表の4~6月期決算でネット広告収入が市場予想より増えた。
 
マクロ経済環境の悪化で企業業績への懸念がくすぶるなか、主力ハイテク株の決算は「想定したほど悪くない」との見方が広がった。ハイテク株が軒並み買われ、顧客情報管理のセールスフォースは6%高、スマートフォンのアップルは3%高で終えた。
 
半導体株も総じて買われ、インテルは3%高となった。米上院が27日に半導体の生産や研究開発に527億ドルの補助金を投じる法案を可決した。下院は週内に採決する見通しで、法案成立を期待した買いが入った。
 
急速な米金融引き締めが景気を冷やすとの観測が後退し、景気敏感株も買いが優勢だった。建機のキャタピラーや金融のゴールドマン・サックス、化学のダウが高い。消費関連株も買い直され、前日に大幅安となったウォルマートは4%高となり、映画・娯楽のウォルト・ディズニーやスポーツ用品のナイキも上げが目立った。
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比469.848ポイント(4.1%)高の1万2032.423で終えた。主力株が軒並み大幅高となり、指数上昇をけん引した。
 
S&P500種株価指数は前日比102.56ポイント(2.6%)高の4023.61で終えた。ほぼ1カ月半ぶりに4000台を回復した。
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

27日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比605円高の2万8020円で引け、27日の大取終値を260円上回った。

 
米利上げの減速見通しが広がり米株とともに買われた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がこの日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、利上げペースを緩める可能性に言及した。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28020 ( +260 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
28045 ( +285 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100 7348.23(+41.95)
27日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日に比べ41.95ポイント(0.57%)高の7348.23で引けた。原油高でエネルギー株が買われた。
 
個別銘柄では、段ボール大手スマーフィット・カッパが5.5%高と上昇率トップ。航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)と金融大手ロイズ・バンキング・グループも、それぞれ5.2%高、4.1%高と買われた。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13166.38(+69.45)
27日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。前日に比べ69.45ポイント(0.53%)高の1万3166.38で終えた。決算が評価された銘柄が買われた。発電大手RWEが2022年12月期通期の利益見通しを上方修正し、公益事業株に買いが広がった。
DAXでは、食材宅配大手ハローフレッシュが5.9%高と反発する一方、スポーツ用品大手アディダスは5.1%安と急落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6257.94(+46.49)
フランスCAC40種指数は0.75%高だった。
欧州企業の良好な決算をはやして買いが入った。ロシアがドイツへのガス供給量を削減すると表明したことで広がった景気後退懸念が和らいだ。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策発表を間近に控え、「市場はかなり静かな状況」だった。

 

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