ダウ初の3万9000ドル台、ハイテク株高で最高値更新

22日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比456ドル87セント(1.18%)高の3万9069ドル11セントで終えた。初めて3万9000ドル台に乗せ、12日以来、7営業日ぶりに過去最高値を更新した。
上昇幅は12月中旬以来の大きさだった。
 
エヌビディアが21日発表した2023年11月~24年1月期決算は、売上高と純利益が四半期ベースで過去最高を記録。生成AI(人工知能)向けの半導体需要の底堅さが改めて示されたことで、同社やIBMなどハイテク銘柄が相場をけん引した。
 
エヌビディアは約16%上昇した。前日発表の決算や見通しが市場の想定以上に強く、生成人工知能(AI)関連投資の勢いや広がりを示したと受け止められた。AI関連銘柄の業績成長期待が改めて高まった。
 
米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げを開始する見通しで米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの期待も強い。FRBのジェファーソン副議長は同日の講演で「米経済がおおむね想定通りなら、年内に引き締め的な政策を巻き戻すのが適切になるだろう」との見解を示した。物価の安定に向けた進捗については「慎重ながら、楽観的だ」と述べた。
 
同日発表の週間の米新規失業保険申請件数は市場予想を下回った。米国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の良さから株価の一段の上昇を見込む買いも入った。
 
ダウ平均の上げ幅は一時530ドルを超えた。顧客情報管理のセールスフォースやIT(情報技術)のIBM、ソフトウエアのマイクロソフトが高い。クレジットカードのビザや同業のアメリカン・エキスプレス、ホーム・センターのホーム・デポなど消費関連銘柄も買われた。
 
S&P500種株価指数は続伸した。前日比105.23ポイント(2.11%)高の5087.03と15日以来、4営業日ぶりに最高値を更新した。  
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比460.751ポイント(2.95%)高の1万6041.621で終えた。上昇率は23年2月上旬以来の大きさだった。一時は1万6061と、21年11月に付けた終値ベースの過去最高値(1万6057)を上回った。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコムといった半導体株、交流サイトのメタプラットフォームズなどの上げが目立った。
 

【シカゴ日本株先物概況】

 

22日のシカゴ日経平均先物は大幅に上昇した。3月物は前日比1045円高の3万9455円で終えた。同日の東京株式市場で日経平均株価は史上最高値を更新。

米株式市場では21日夕に好決算を発表した米半導体大手エヌビディアの好決算を受け、ハイテク株の買いが膨らみ続伸した。
日経平均先物にも買いが波及した。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
39455 ( +335 )

 
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
39465 ( +345 )


( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

22日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比21.98ポイント(0.28%)高の7684.49で終えた。好決算を公表した銘柄への買いが、指数を支えた。22日の米株式市場で主要3指数が上昇して始まったのも投資家心理の支えとなった。

FTSEの構成銘柄では、保険大手ビーズリーが8.93%高、22日に2023年12月通期の増益決算を公表した航空機エンジン大手ロールス・ロイスが8.29%高、金融大手ロイズが6.16%高と上げを主導。一方、広告会社WPPは6.38%安、産金大手エンデバー・マイニングは4.73%安、流通大手テスコも3.05%安と売られた。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

22日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。終値は前日比252.33ポイント(1.47%)高の1万7370.45と連日で最高値を更新した。前日に自社株買い計画などを示した自動車の独メセルセデス・ベンツグループなど自動車株に買いが入った。
 
前日の米半導体大手エヌビディアの好決算や22日の米ハイテク株高を支えに、ソフトウエアの独SAPなどテクノロジー関連株も買われた。買いは幅広い業種・銘柄に広がり、DAXを構成する40銘柄のうち32銘柄が前日比で上昇した。テクノロジー株などの上昇を支えに、欧州主要600社の株価指数であるストックス600も終値で495.10と最高水準となった。
 
個別では自動車株を中心に買われ、フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEが5.31%高、メルセデス・ベンツが4.70%高。素材化学大手コベストロも4.75%と急伸した。
半面、セメント大手ハイデルベルクセメントは3.29%安、航空エンジン大手MTUエアロは3.14%安、ヘルスケア大手フレゼニウスは1.64%安だった。

■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場ではフランスの主要な株価指数であるCAC40が7日続伸した。終値は前日比99.51ポイント(1.27%)高の7911.60と、連日で最高値を更新した。
スイスの半導体大手STマイクロエレクトロニクスや、自動車の欧州ステランティスの株価上昇が目立った。

 

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