「サプライズ待ち」
週末のNY株式市場はマチマチの動き。
NYダウは反発、NASDAQは反落、S&P500は続落。
大型ハリケーン「イルマ」の接近を警戒した市場心理が優勢との解釈。
特にエネルギー関連セクターの軟調が目立った。
週間では各指数ともに3週間ぶりの反落。
北朝鮮への警戒感も拭えない印象。
S&P500採用企業のうち499社第2四半期決算を通過したが前年同期比12.4%の増益の見通し。
売上高がアナリスト予想を上回った企業の割合は69.3%。
長期平均の59%、過去4四半期平均の56%を上回った。
第3四半期の1株利益について、悪化もしくは市場見通しを下回ると予測している企業は68社。
改善もしくは市場見通しを上回ると予測した企業は46社。
S&P500企業の今後4四半期の予想株価収益率(PER)は17.9倍とされている。
10年国債利回りは2.055%と低下。
NY連銀のダドリー総裁は「緩やかな利上げが望ましい」とコメント。
年内の追加利上げ観測が後退する中でドルは主要6通貨バスケットに対し約2年半ぶりの安値を更新。
ユーロも対ドルで2015年1月以来の高値を更新。
週間では1.4%上昇、年初からは約14%上昇している。
ドル円は一時107.33円と、約10カ月ぶりの円高水準。
週間では2.2%下落し約13カ月ぶりの大幅な円高トレンド。
アレコレ言われる割にはVIX(恐怖)指数は12.12レベルでしかない。
週末メジャーSQ当日の日経平均株価は反落4月29日以来4カ月半ぶりの安値となった。
SQ値19278円は終値ベースで上回れずの結果。
北朝鮮情勢への警戒感に加え、メキシコでの地震発生を受け後場一段安の格好だった。
「核ミサイル危機に2個目のハリケーン。
そしてマグニチュード8のメキシコ沖地震まで織り込んでしまった円高・株安の波。
もう、これ以上怖いものはないくらいに警戒感を織り込んでしまった相場」という声が聞こえる。
週間では約416円の下落で週足は陰線。
週間ベースで日経平均株価は2.1%安で3週ぶり下落。
TOPIXは2.0%安で4週ぶりの下落。
東証マザーズ指数は8.5%安で4週ぶり反落。
日経ジャスダック平均は2.3%安。
東証2部指数は1.3安で5週ぶりの反落。
大証225先物終値は日中比30円高の19170円。
権利配当落ちの逆ザヤ分を120円程度と推定すれば現物価格は19290円レベル。
SQ値を上回れるかどうかが課題となってくる。
107円台のドル円がどこまで邪魔をするかだろう。
NT倍率は12.10と今年の最低水準まで低下。
SQ絡みの225売り優先の反動が出て欲しい所でもある。
25日線(19570円)からの乖離はマイナス1.5%。
騰落レシオは96.51%。
空売り比率は41.6%と依然高水準だ。
マザース銘柄ネットストック信用評価損率で売り方がマイナス0.09%と悪化したのは多少目につく所。
日経VIは19.22まで上昇。
10年国債もマイナス0.155%と3日ぶりのマイナス展開。
いずれも良くない傾向。
ボリンジャーのマイナス1σは19357円。
罫線の紙芝居的には期待感が薄い。
驚きをこよなく愛する株式市場は「大きなポジティブサプライズ」を欲しているような気もしないでない。
イスラムのヒジュラ暦の新年まであと10日。
やはりそう来たか。
というのは週末に行われたNNNの世論調査。
安倍内閣支持率は42.1%。
4か月ぶりに不支持(41.0%)を上回った。
一方、民進党で新しい代表に選ばれた前原氏については「期待する」が33.4%。
「期待しない」が52.9%。
北朝鮮問題が内閣支持率を押上げ、内輪もめが野党の自滅点。
北朝鮮に対する態度は「対話を呼びかける」が29.4%。
「経済制裁などの外交的圧力」は49.7%。
「軍事行動など武力行使」は10.6%。
心理的には結構過激な印象が残った。
興味深いのはゴルフ会員権価格の値上がりの報道。
8月の関東圏平均売買単価(主要150コース)は173.6万円。
2カ月連続で前年上回り、昨年末で9.3%上昇したという。
高額コースに法人需要が戻ってきているとの解釈だ。
平均単価は2014年3月から今年6月まで前年を下回っていたから結構変化。
8時58分に会社のエレベーターで見かけた別の会社の女性。
「ハアハアア」と息せき切って乗ってきた。
おそらく9時が始業なのだろう。
この真面目な姿勢は評価してあげるべきと思う。
遅刻はしないというのは社会人のイロハのイだからだ。
しかし一方で、長い人生一度や二度の遅刻がバッテンになるのかどうかというのは疑問。
60年近く生きてみると、関係ないんじゃないという気もする。
かつて企画部門を担当していた時は毎日遅刻する部下がいた。
毎日理由が違うのに尊敬したこともあった。
「気分が悪くて」、「鼻血が出た」、「電車が止まった」。
よくそれだけ理由が思いつくものだと感心した記憶がある。
しかし・・・。
9時に駆けつける人が多いのが日本の企業風土の特色でもあるし、プライオリティでもあろう。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
萩原工業(7856)・・・動兆
萩原工業に注目する。
同社はフラットヤーン技術を背景にブルーシートを中核に拡大。
防災シートや和みシートなど新たな商品も加わった。
ダイソンの掃除機のクリーナーヘッド部分も拡大基調。
北米・欧州では熱融着クロスの野菜・果物用の袋が人気上昇。
直近は機械分野の拡大が顕著。
リチウムイオン電池のセパレータフィルムの切断などが拡大基調だ。
業績は絶好調。
上昇基調継続と見る。
(兜町カタリスト櫻井)
