NY株式は小動き。
貿易戦争への不透明感と警戒感の多少の増加が上値を重くした格好だ。
もっとも「ナンセンス」という見方がない訳ではない。
コーン国家経済会議委員長辞任の方向は嫌気されるに違いない。
北朝鮮が非核化に向け米国と対話する意向を表明したとの報道は好感した。
一時200ドル近く反落しての小幅高で良かろう。
米朝間の緊張緩和の可能性が示されたことが安全資産とされる米債への需要は低減。
10年国債券利回りは2.886%と小動き。
ドル円は106円を挟んで推移し106円台前半。
議会上院は銀行規制を緩和する法案の本会議審議入りを賛成67、反対32で承認した。
金融規制改革法(ドッド・フランク法)修正第1弾となる法案。
中小金融機関の規制順守負担軽減などが盛り込まれている。
金融規制の緩和は株高への伏線と読みたいところだ。
マドを空けた5日ぶりの反発ながら後場失速感の漂った火曜だった。
しかし週末に2月14日安値(20950円)を下回っての大幅高。
「底割れ懸念がひとまず遠のいた」との声が聞こえる。
ただ終値では21500円や5日線(21486円)を上回ることができなかった。
「大きな動きが出た割には多くの投資家が疑心暗鬼」との見方だった。
ただ底割れ回避から5日線上抜けとなれば25日線(21983円)の可能性に期待する向きも多い。
200日線(21192円)割れは2日で脱出した。
必要なのは4日続落での下落幅(終値ベースで1347円安)の回復だ。
25日線からの乖離はマイナス2.6%。
騰落レシオは82.35%。
サイコロは6勝6敗で50%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲14.510%(前日▲13.273%)。
買い方▲8.345%(前日▲9.958%)。
裁定買い残が1兆6286億円(2月23日現在)では大きく売り込めない。
最低売り残は5790億円。
3月2日現在の信用買い残は1699億円増加し3兆6162億円。
2007年9月以来10年半ぶりの高水準。
押し目買いに動きた個人の結果だ。
信用売残は3週ぶりに減少。
1604億円減の7916億円。
売り方がりぐった結果だ。
空売り比率は43.90%と依然40%台のまま。
日経平均採用銘柄のEPSは1694.44円まで増加しPERは12.64倍。
1月4日のEPS1519.48円は遥か下に見える。
昨年大発会は1180.37円だった。
シカゴ225先物終値は大証日中比185円高の21635円。
ザラバ高値は21805円だったからこれが目標。
昨日も前場にザラバ高値を抜けてから上値を追っていた。
勝手雲の下限は217115円、上限は22368円。
黒い雲は14日に一度収束する。
ボリンジャーのマイナス1σ(21297円)がサポートだ。
上は25日線へのチャレンジだろう。
底入れのサインは連続陽線が連続陽線。
SQ週の荒れる水曜は二つ目のマド開けからのスタートが欲しい。
しかしコーン国家経済会議委員長辞任の方向。
225先物時間外は22200円台まで低下。
やはりSQ週の荒れる水曜日。
日経朝刊では「売られすぎサイン」との見出し。
裁定買い残の16年11月以来の低水準。
騰落レシオの80%割れ。
PERは12倍台でアベノミクスの相場の下限。
「本格的な相場反転のタイミングはまだ見えない」。
「今期決算が登場する4月下旬までは上値の重い展開」。
「売られすぎ」との整合性はないのだが・・・。
一方で「反騰局面に入った昨年9月相場に似ている」との声もある。
日経平均は昨年9月に1万9200円台の安値を付けた。
その後11月高値の2万3300円台まで約4100円(21%)上昇した。
昨年7月第1週から9月第1週までの間、海外投資家は2兆3000億円(現物・先物合計)売り越し。
このうち先物の売り越し額は約1兆4200億円。
昨年9月第2週から直近までの累積でも、先物の売り越し累計は約1兆1200億円。
昨年9月の水準に近づいている。
裁定買い残も減少。
2月中には一時1兆6000億円を下回り、昨年9月4~8日の週以来の低水準を記録。
200日線割れは半年前の9月8日以来だった。
9月も日経平均は1日で200日線を回復。
違うのはドル/円。
円高水準ベースで昨年9月が107円前半。
今回は105円前半。
VIX指数は1ケタだったが今は10%台。
興味深いのは海外勢の売りコスト。
約2万2800円と現在値よりも1400円程度高い水準。
「SQで清算するかロールオーバーさせればよく、慌てて買い戻す必要はない」との指摘。
逆襲はデキないものなのだろうか。
ゲインラインを突破することが相場上昇の必要十分条件。
これに異論はないだろう。
足りないのはターゲットゾーンの設定と時間軸のような気がする。
「何月にいくらまで上昇」というシナリオはゴ-ルの設定だ。
それが戦略だろう。
板がどうだとか、需給はああだとか、罫線がどう動くのかの読み。
これは戦術と言っても良いかも知れない。
ゴ-ルを定めて、そこから逆算して行動するという作業はほとんど行われない。
しかしこれこそが必要な作業だ。
もしもこれができるようになれば右往左往することはなくなる。
ゴールさえ確実に決めているのなら、下落局面で、ほくそ笑むことも可能になろう。
「ヘルシーな調整」というふざけた言葉もひょっとすると意味を持ってくるかも知れない。
本来、先は見えない、のだが見えるような気もしてこようか。
NYダウは9ドル高の24844ドルと続伸。
NASDAQは41ポイント高の7372ポイントと3日続伸。
S&P500は7ポイント高の2728ポイントと3日続伸。
ダウ輸送株指数は87ポイント高の10435ポイント。
3市場の売買高は68.7億株。
CME円建ては大証比185円高の21635円。
ドル建ては大証比185ポイント高の21635ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比240円高の21690円。
ドル円は105.57円。
10年国債利回りは2.877%。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
桧家(1413)・・・動兆。
桧家HDに注目する。
同社はエコハウス中心に規格型注文住宅の請負・施工が中核。
断熱材施工が急成長している。
「Z空調」という新空調システム住宅が拡大基調だ。
業績は好調。
目標としていた売上高1000億円は前12月期に達成。
今期も増収増益の見通しだ。
投資用不動産への進出にも期待感。
次のステージが見えてこようか。
(兜町カタリスト櫻井)
