NY株式市場は小幅反落。
原油先物価格の下落でエネルギー関連セクターが軟調。
業績悪化で減配を発表したGEが続落した。
10月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.4%上昇し、市場予想の0.1%上昇を上回って着地。
前年同月比は2.8%上昇で2012年2月以来の大幅な伸びとなった。
市場予想は2.4%上昇だった。
「卸売物価指数が過去2年間にわたり緩やかに回復。
これはインフレ見通しは緩やかに上向いている証拠だ」との声も聞かれた。
債券市場では長短金利差が連日の縮小。
12月利上げ観測が高まっており2年債利回りが9年ぶりの水準に上昇。
長期債利回りは低下した。
ドイツの第3四半期GDP速報値が前期比0.8%増と市場予想の0.6%増を上回った。
ユーロは対ドルで2週間半ぶりの高値となった。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの11月のファンドマネジャー調査ではキャッシュ比率が4.4%。
2013年10月以来約4年ぶりの低水準となった。
株価水準が「割高」と答えた割合は48%と過去最高。
ヘッジファンドの株式投資の度合いが11年ぶりの高水準。
一部の市場関係者は「根拠なき熱狂の兆しが見える」という指摘した。
日経平均は5日続落。
わずか98銭安でもマイナスであることに変わりはない。
もっともTOPIXなど他の指数はマイナス。
値上がり銘柄数は値下がり銘柄数の半分以下。新
高値も99と100銘柄を割れた。
体感は明らかにマイナスだ。
「企業の決算発表一巡から内外機関投資家や個人などの短期売買の手じまい売りが優勢」という分析もある。
「前場に買い戻して買い乗せた玉外し」と簡単に考えた方が良いかも知れない。
マーケットは人が考えるほど賢くはないものだ。
1円以下の値幅での前日比マイナスは今年2回目。
前回は10月31日(火曜)の6銭安。
翌日は踏みが入って408円高(水曜)だった。
16連騰が始まった9月29日の前日も6.83円安と小幅なマイナス。
「陰極まれば陽に通ず」という楽観論も聞かれた。
5日続落は6月と8月についで今年3回目。
「8月の5日続落は火曜で終わって水曜は反発した」という何の根拠もない楽観論もある。
11月10日時点の信用買い残は1008億円増刊の2兆7896億円。
3週連続の増加だ。
売り残は前週比382億円減少し1兆454億円。
2週連続減少。
騰落レシオは112.96%と過熱感は薄れている。
サイコロは6勝6敗で50%。
25日線(21893円)からの乖離はプラス2.2%まで低下した。
空売り比率は41.0%と再度40%台。
日経平均採用銘柄のPERは14.77倍でEPSは1514.23円と微増。
4~9月期決算は全体の99.6%が通過したが今期純利益は17。1%増の見通しで悪くない。
日経朝刊1面の「上場企業3年ぶり増収」も記憶に残しておきたいところ。
株式益回りは6.07%、10年国債利回りは0.05%。
どちらが有利かは一目瞭然だ。
シカゴ225先物終値は大証日中比120円安の22310円。
6日続落という今年の続落記録更新の気配は濃厚な水準。
縮小に転じたボリンジャーバンドのプラス1σは22538円でこれは下回った形。
プラス2σの23184円は遠く見える。
SQ値22531円に対しては1勝2敗。
「押し目待ちに押し目あり」だとすれば「この頃弱い水曜日」という解釈になるのかも知れない。
2時半過ぎの売買主体の心持ち如何に過ぎないのだが・・・。
10月のMRF残高は13兆1774億円。
過去最高を更新した。
日経朝刊の見出しは「個人の待機資金、株高で最高」。
10月の株式投信の解約額は4兆4845億円と過去2番目の大きさ。
一部はマイナス金利での運用なので運用会社は損をするという悪弊もある。
しかし13兆円がほぼキャッシュ。
世界の機関投資家はフル運用でキャッシュ比率が最低水準なのに好対照だ。
興味深い歴史は米大恐慌の際の教訓。
「投機から投資へと参加者の意識に変化が起きた。
経済成長が株高をもたらし、株高が家計を潤し、個人消費の拡大が経済を押し上げた。
1945年から2017年までのNYダウの時価総額は102倍になった。
同期間の米国の家計の株式保有額も3400億ドル→35兆ドルと102倍になった」。
東証時価総額の世界株式に占める比率は9月末で7.0%。
過去10年平均の7.2%を下回った。
「だからこその日本株」という声もある。
7~9月期のGDP速報値は前期比0.3%増、年率換算では1.4%増で着地。
プラスは7四半期連続。
7四半期連続は16年ぶり。
市場予想は前期比0.4%増、年率では1.5%増だった。
名目GDP成長率は前期比0.6%増、年率2.5%増。
名目は2四半期連続でプラスだった。
個人消費は0.5%減と7四半期ぶりにマイナス。
天候不順で衣料品などへの支出が低迷したとの解釈。
設備投資は0.2%増と4四半期連続プラス。
NYダウは30ドル安の23409ドルと反落。
NASDAQは19ポイント安の6750ポイントと3日ぶりの反落。
S&P500は5ポイント安の2578ポイントと反落。
ダウ輸送株指数は29ポイント安の9489ポイント。
3市場の売買高は67.3億株。
CME円建ては大証比130円安の22300円。
ドル建ては大証比115ポイント安の22315ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比120円安の22310円。
ドル円は113.44円。
10年国債利回りは2.381%。
非公式外資系5社動向は売り720万株、買い580万株。
金額ベースは30億円の売り越し(2日連続)。
売りセクターは商社・電機・ゴム・通信・食品・小売・その他金融セクターなど。
買いセクターは電機・化学・保険セクターなど。
売買交錯は小売セクターなど。
◇ ━━━ カタリスト ━━━◇
ワコム(6727)・・・動兆。
ワコムに注目する。
同社はペン入力のタブレットで世界首位。
ディスプレーが4K新製品が好調。
紙への記入と同時に内容がデジタル化される電子ペンとパッドを病院の問診票など業務用で展開。
業績は好調。
11月1日に今3月期の連結営業損益予想を18億円の黒字から29億円の黒字に上方修正。
(前期は12億円の赤字)。
ストップ高は一度では終わらないのアノマリーに期待
(兜町カタリスト櫻井)
