イチャモンとチョッカイ

「イチャモンとチョッカイ」
 
NY株式市場は小幅続伸。
主要3指数はそろって終値での最高値を更新した。
S&P500の年初来上昇率は11.6%。
予想株価収益率は17.6倍で過去10年平均の14.3倍を上回った。
年末商戦に向け、前年を43%上回る約10万人を採用すると発表した小売のターゲットが上昇。
国際エネルギー機関(IEA)が世界の過剰原油在庫は縮小し始めていると指摘。
エネルギー関連も堅調だった。
一方新型スマホ「iPhoneX」の発売を発表したアップルは続落。
「価格が高過ぎる。発売日が予想より遅い」というのが理由。
とはいえアップル株は年初から前日までに38.9%上昇している。
ライアン下院議長のコメント。
「9月25日の週に歳入および財政委員会や政府のコンセンサスを反映する概要が公表される」。
一応好材料視された。
8月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇。
ガソリンの値上がりが目立った格好。
ただ「FRBは物価に対する影響は一時的なものと見なす可能性が高い」という解釈だ。
10年国債利回りは2週間半ぶりの高水準。
財務省は今週、総額560億ドルの国債入札を実施したが3年債、10年債もともに低調な結果だった。
一応PPIが一転上昇したことを受けドルは上昇。
 
 
日経平均株価は3日続伸。
「三空に買いなし」が格言だが株価は下押すことなく75日線(19863円)をキープした底堅い展開。
TOPIXは8月7日の年初来高値(1639.27ポイント)を上回る場面もあった。
「25日線(19537円)が右肩下がりの下落トレンドから再び上昇に転換する可能性が高い」。
そんな声が聞こえる。
東証1部の売買代金は2兆円台をキープしておりエネルギーは問題ないところ。
新高値が202となったことは決して先物ばかりの空中戦ではないことを物語っていよう。
9月8日時点の裁定買い残は前週比1203億円減少し1兆3742億円。
2週ぶりに減少。
1.3兆円では悪さのしようもない水準。
裁定売り残は前週比101億円減少し5422億円。
7週ぶり減少の減少となった。
メジャーSQを挟んでの減少で相場観は関係ないと見たほうが良いだろう。
225先物大証夜間取引終値は日中比60円高の19750円。
現物換算で19880円レベルだからほぼ変わらずの水準だ。
SQ値19278円に対して3勝1敗というのは久々の勝ち越し感。
25日線からは1.7%のプラス乖離(前日1.2%プラス乖離)。
プラス2%乖離で19964円だからその辺は視野に入ってきた格好。
松井証券信用評損率速報で売り方は▲14.619%。
直近のピークは2014年1月の▲15.37%に近づいてきた。
買い方は▲5.616%まで低下した。
Quick調査の信用評価損率は▲11.00%(前週▲8.38%)と2ケタに乗せてきた。
しかしこれは今週の日経平均600円高を反映していない水準で問題なかろう。
空売り比率の36.9%までの低下を好感したいところ。
奇しくもボリンジャーのプラス2σ水準は19866円。
これが昨日の限界値だった。
プラス3σの20030円はまだ難しいだろう。
16日には「会社四季報」発売で物色動向の拡大期待。
しかしその先には19日~20日のFOMC。
今年の続伸記録は4日までで今日が4日目。
相場が変化したなら5日続伸の芽があってもいいだろう。
気にかかるのはダウ輸送株指数の反落だが・・・。
 
 
直近のEV関連相場はフランクフルト自動車ショーが背景だろう。
相場ってそんなに頭の良いものではなく目の前にあるイベントなどが動機になるもの。
というか、それより先を見るほどの余裕も能力もない場所。
これは海外も日本も一緒だろう。
極一握りのスーパーリッチで賢い人だけが自らシナリオを創造する。
表面に出ているフツーのリッチな群れは他人のシナリオに乗ろうとするもの。
そして・・・。
本当に欲しいものがあるときにはその対象にイチャモンをつけるもの。
言い換えれば子供は好きな子にはチョッカイを出すもの。
これが、意外と相場の本質かも知れない。
そこに気がつくと、多少は視界が変わるかも知れない。
イベント的には総理がインドに行くことだって一つのイベント。
数日はインド関連が話題になると読んでも悪くはない。
日本の新幹線方式導入した高速鉄道の建設支援などに約1900億円の円借款供与表明。
原発輸出に向けた枠組みの新設や航空自由化協定の締結でも合意の方向だ。
 
 
興味深いのはビットコインに対する見解。
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者は「詐欺だ」。
「ビットコインの存在感が大きくなるにつれ、軋轢も強まりやすくなっている」との指摘。
ダイモン氏は「本物ではない。いつか終わる。
チューリップバブルよりひどい。
最終的には暴落する」などと酷評。
中国は仮想通貨取引所を閉鎖するなどマイナス材料が相次いでいるとの報道だ。
国家の骨格の一つは通貨の発行権。
これを脅かされれば抵抗するのは自明の理。
本物を怖れる既得権益勢力と見たほうが良いのかも知れない。
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
リファインバース(6531)・・・動兆
 
リファインバースに注目する。
同社は産業廃棄物処理と再生樹脂製造販売が中核。
タイルカーペットの再資源化が強みとなっている。 
産業廃棄物市場の拡大は継続見通し。
今6月期は大幅営業利益増の見通し。
リバウンド期待。

(兜町カタリスト櫻井)

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