31日の日経平均株価は大幅反発し、3万3172円(前週末比412円高)で引けた。前週末の米国株高や円安・ドル高が好感され、同指数は心理的なフシ目となる3万3000円台を回復し、TOPIX(東証株価指数)はバブル経済崩壊後の高値を更新した。基調の強さを印象付けた格好だが、外部要因に変調があれば、利益確定売りを促すことも想定される。
あす8月1日の日経平均株価は、外部要因にらみの展開が続こう。
8月初日となるあすはトヨタの決算が注目を集めるだろう。
外部要因は、米7月ISM(サプライマネジメント協会)製造業景況指数などの重要経済指標を受け、米国マーケットがどう反応するかが注目されるが、一方で国内長期金利や為替動向も気になる。
日銀は前週末7月28日にYCC(イールドカーブコントロール、長短金利操作)の運用柔軟化を決定した。週明け31日には、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時、前週末比0.065%高い0.605%と14年6月以来、約9年ぶりの高水準を付けた。長期金利の上限をそれまでの「0.5%程度」から、事実上1%まで引き上げており、金利上昇懸念が広がり、円高につながるようなら相場の重しとして意識されるだろう。
ただ、マイナス金利(金融機関が日銀に預ける資金の一部に0.1%のマイナス金利をつける政策)撤廃まで踏み込む金融正常化には時間がかかるとの見方が大勢で、円を売って高金利通貨を買う「円キャリー取引」は続くとみられている。
東京外国為替市場では午後4時時点で142円台(前週末終値は139円75-78銭)へと円安・ドル高が進んでおり、この流れが続くようなら日本株のサポート要因になる。
月間プラスは達成できなかったものの、TOPIXが年初来高値を更新しており、強い動きであったと言える。先週金曜に日銀会合で乱高下したが、その翌営業日に上に値幅が出たことから、ここからは買いが入りやすくなると見込まれる。
テクニカル面でも5日線(3万2834円、31日時点、以下同じ)や25日線(3万2749円)がサポートになると見込まれる。TOPIXにキャッチアップして日経平均も年初来高値(3万3753円、7/3)を更新できるかが、今週の焦点だろう。
■上値・下値テクニカル・ポイント(31日現在)
34559.58 ボリンジャー:+2σ(26週)
34396.17 ボリンジャー:+2σ(13週)
34046.60 ボリンジャー:+3σ(25日)
33614.23 ボリンジャー:+2σ(25日)
33259.41 ボリンジャー:+1σ(13週)
33181.86 ボリンジャー:+1σ(25日)
33172.22 ★日経平均株価31日終値
32812.40 6日移動平均線
32777.26 均衡表基準線(日足)
32749.49 25日移動平均線
32719.82 均衡表転換線(日足)
32669.87 均衡表雲上限(日足)
32596.67 均衡表転換線(週足)
32317.12 ボリンジャー:-1σ(25日)
32311.61 ボリンジャー:+1σ(26週)
32122.65 13週移動平均線
31943.93 新値三本足陰転値
31884.75 ボリンジャー:-2σ(25日)
31452.38 ボリンジャー:-3σ(25日)
31308.15 75日移動平均線
30985.89 ボリンジャー:-1σ(13週)
30685.04 均衡表雲下限(日足)
30202.91 均衡表基準線(週足)
30063.63 26週移動平均線
29849.12 ボリンジャー:-2σ(13週)
28846.03 200日移動平均線
25日移動平均線や先週末に25日線を上抜いた5日線を上放れ、節目の3万3000円を下回ることなく推移した。一目均衡表では、株価が雲上限との上方乖離幅を拡大し、遅行線は強気シグナルを発生して地合い改善を強く示唆している。
一方、ローソク足は小陽線を描いたが、上ヒゲはやや長く、上値での強い売り圧力を窺わせた。25日線は下降を続けており、下押しリスクも残す形となった。
