あす10日の日経平均株価は、高値もみ合いか。
9日の日経平均株価は大幅反発し、2万9242円(前日比292円高)で引けた。8日の米国株式市場でハイテク株が高く、円安歩調も支えとなった。
日経平均は上げ幅を徐々に広げ、後場終盤には300円超上昇した。終値で年初来高値を更新した。米国動向からはそこまで強い動きは期待しづらかっただけに、日本固有の要因で買われたと考えるのが妥当。きょうはJFEHDの急騰が日本株を大きく刺激したように見える。
海外投資家の資金流入が観測されるとともに、22年1月5日(終値2万9332円)以来1年4カ月ぶりの高値水準に浮上したことで、先高期待が続く可能性もあるだろう。
ただ、日本時間10日午後9時30分には、注目の米4月CPI(消費者物価指数)が発表される。FRB(米連邦準備制度理事会)は、3日まで開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策金利の0.25%引き上げを決定した一方、利上げ停止の可能性を示唆した。CPIの結果次第では年内利下げ観測が遠のきかねず、見極めたいとして動きづらい面がある。
あすはトヨタの決算を受けた反応が大きく注目される。きょう3%超上昇しておりハードルは上がっているが、中期のチャートでは安値圏で推移しており、内容次第ではまだ買われる余地はある。日本を代表するトヨタが跳ねるようなら、日本株に対する注目度が一段と高まり、新たな資金が入ってくる可能性がある。米CPIの発表前で手がけづらさはあるが、日経平均がノンストップで3万円に向けて騰勢を強めていけるかを占う意味でも要注目の1日となるだろう。
週末12日には日経平均ミニ先物・オプション5月限のSQ(特別清算指数)算出を迎える。SQ週の中日となる水曜日は機関投資家の持ち高調整の売買が膨らみ、相場が荒れる傾向があり、先物の売買動向にも注視したい。
■上値・下値テクニカル・ポイント(9日現在)
30265.02 ボリンジャー:+3σ(26週)
30093.35 ボリンジャー:+3σ(13週)
29843.13 ボリンジャー:+3σ(25日)
29437.41 ボリンジャー:+2σ(13週)
29389.00 ボリンジャー:+2σ(26週)
29362.51 ボリンジャー:+2σ(25日)
29242.82 ★日経平均株価9日終値
28964.66 6日移動平均線
28881.89 ボリンジャー:+1σ(25日)
28856.44 新値三本足陰転値
28781.47 ボリンジャー:+1σ(13週)
28760.24 均衡表転換線(日足)
28512.97 ボリンジャー:+1σ(26週)
28401.27 25日移動平均線
28353.23 均衡表基準線(日足)
28125.53 13週移動平均線
27955.86 均衡表転換線(週足)
27920.65 ボリンジャー:-1σ(25日)
27796.93 75日移動平均線
27636.94 26週移動平均線
ザラ場高値は2日の直近高値をやや下回ったが、終値は今年最高値を更新。寄り付き安値からほぼ高値引けしてローソク足は「陽の丸坊主」に似た形状を描いた。TOPIXが高値引けとなったこともあり、強い買い意欲を確認する形となった。
一方、東証プライム市場の騰落レシオは143.20%と、東証の市場再編後で最高となった4月25日の146.54%に迫った。買われ過ぎが警戒される120%を4月18日から13営業日連続で上回っており、スピード調整圧力の高まりにも留意となろう。
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