9月最初の日経平均が大幅に3日続伸。終値は前日比361円高の2万8451円で、7月14日以来、約1カ月半ぶりの高値水準まで回復した。
前日の米国株は安かったものの、日本株は昨日の上放れ的な動きですっかり様相が変わり、出遅れを取り戻すように独自の水準訂正相場に突入している。きっかけのひとつとなった経済対策期待は今日も材料視されており、総裁選、衆院選に絡んだ首相の開き直りが逆に良い刺激となったようである。
あす2日の日経平均株価は、もみ合い展開か。
1日の日経平均株価は大幅に3日続伸し、2万8451円(前日比361円高)で引けた。時間外取引の米株価指数先物高が支えとなり、市場では政策期待も指摘された。この日は、上向きの200日線(2万8281円)と75日線(2万8292円)をすんなり突破し、日足一目均衡表上の「雲」を上抜けた。文字通り、テクニカル好転の流れにあり、先高期待につながる可能性がある。
もっとも、直近3連騰で合計800円超の上昇を演じ、戻りピッチの速さに対する警戒感も残る。今回の相場は、買い戻しを主体とする「需給面での影響が強い」との声が聞かれ、買い戻し一巡となれば、上値の重さが戻ってくることも想定される。
また、「まだ下降トレンド下にあり、戻り相場が続くかどうか、もう少し見極めたい」との見方も出ている。
折しも、1日の米8月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計、米8月ISM(サプライマネジメント協会)製造業景況指数に続き、2日に米7月貿易収支、週末3日には米8月雇用統計、米8月ISM非製造業景況指数など重要経済指標の発表を控えている。特に米雇用統計の内容次第では、テーパリング(量的緩和縮小)や利上げの前倒し懸念が再燃する不安もあり、結果を見極めたいとの空気が広がることも想定される。
■上値・下値テクニカル・ポイント(1日現在)
30058.58 ボリンジャー:+3σ(13週)
29471.13 ボリンジャー:+1σ(26週)
29409.31 ボリンジャー:+2σ(13週)
28760.04 ボリンジャー:+1σ(13週)
28719.91 均衡表基準線(週足)
28658.32 26週移動平均線
28579.63 ボリンジャー:+3σ(25日)
28451.02 ★日経平均株価1日終値
28405.50 均衡表雲上限(日足)
28292.48 75日移動平均線
28288.37 ボリンジャー:+2σ(25日)
28281.96 200日移動平均線
28171.70 均衡表雲下限(日足)
28110.77 13週移動平均線
28001.83 均衡表雲上限(週足)
27997.10 ボリンジャー:+1σ(25日)
27906.35 6日移動平均線
27903.56 均衡表転換線(週足)
27845.51 ボリンジャー:-1σ(26週)
27742.29 新値三本足陰転値
終値は昨日上向き転換したばかりの75日移動平均線を突破。ローソク足はマドを空けて上げて胴体部分の長い大陽線を描き、下ヒゲのない「陽の寄り付き坊主」を示現して強い買い圧力を窺わせた。
一目均衡表では昨日の雲下から本日は雲上限突破を一気に達成し、チャート形状は買い手優位に転じた。転換線が上昇を続けたほか基準線も上向きに転じて上昇延長を示唆し、遅行線の応当日株価が9月6日にかけて下落するため強気シグナル増大による強気相場が期待できよう。25日線との上方乖離率は2.69%にとどまり、RSI(14日ベース)は57.32%と中立圏上限の60%ラインを下回っているため過熱感は窺えず、引き続き上値余地は大きいとみられる。
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