NY株式市場は小幅下落。
決算を発表したJPモルガン・チェースとシティが足を引っ張った。
「融資の伸びが引き続き低迷していること。
信用の質に関する懸念がやや拡大したことを市場は心配している」という解釈だ。
また第3四半期の国内加入者数が9万人減少したAT&Tも下落。
ハリケーンの影響や有料テレビ市場の競争激化が背景とされた。
卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.4%上昇。
前年同月比で2.6%上昇し、2012年2月以来の大幅な伸びとなった。
債券市場は堅調展開。
ただ「日本時間今夜発表予定のCPIを見極めよう」という姿勢も見られる。
「北朝鮮の地域で地震のような動きがあった」との観測も安全資産志向となった。
週間新規失業保険申請件数は前週比1.5万件減の24.3万件。
約1カ月ぶりの低水準となった。
市場予想は25.1万件。
失業保険受給者総数は26週連続で200万人を下回った。
アマゾンは今年の年末商戦向けに米国内で12万人を臨時雇用すると発表。
全米小売業協会が発表した今年の年末商戦の小売売上高(自動車・ガソリン・外食除く)。
前年比3.6~4%増の6787.5億~6820億ドルの見通し。
オンライン販売による小売売上高は11~15%増の約1400億ドルになる見通し。
明るい材料だが見えないフリの印象。
ダウ輸送株指数は61ポイント高の10038ポイント。
逆行高で初めて1万ポイントを突破した。
日経平均は8日続伸で新高値。
TOPIXは4日続伸で1700ポイント台乗せ。
2007年7月31日の1706ポイント以来の高値水準となった。
新高値銘柄も184まで増加し週末のSQを前にして堅調な展開。
衆院選の各種マスコミ調査で与党優勢との報道を好感。
「マーケットに残っていた一抹の不安は解消。
NY株の連日の最高値更新にも煽られる形となった」との声が聞こえる。
8日続伸で上昇幅は600円弱。
100円以上の上昇は2日だけ。
「ジリジリと小幅な上昇だから25日移動平均線(20220円)との乖離率は3.62%」という見方。
25日線は日々50~60円上昇しているからそれ以上の上昇をしないと乖離率は上昇しないことになる。
昨年12月以来の9日続伸に期待する向きも多い。
騰落レシオは137.54。
5月39日の141以来の水準に上昇したのはやや過熱感。
もっとも空売り比率は37.2%と依然40%割れ。
10月6日時点の裁定買い残は4週ぶりの減少で前週比1811億円減の2兆2948億円。
裁定売り残は3週ぶりの増加で768億円増の5424億円。
信用と併せて需給は悪くない。
日経平均採用銘柄のEPSも1425円に乗せてきた。
ドル建て日経平均は186.71と前日の185.93を上回り新値追い。
「衆院選まではブル基調」という見方が支配的だ。
225先物大証夜間取引終値は日中比10円高の20960円。
前日は3日ぶりの陰線だったのが気にかかる。
しかし寄り付きの20958円、ザラバ高値20994円を抜けれは払拭できよう。
先物では一足先に21000円台を復活したが現物指数も追随したいところだ。
9月はメジャーSQ通過で潮目が変わった。
今回はミニSQだし、衆院選まではトレンド変化の可能性は薄いと見たい。
2日新甫は13日のSQがお約束。
週明け16日は株高の特異日でもある。
10月8連騰。
とはいえ・・・。
「個人投資家さんからは、あまり自分の持っている銘柄は上がっていないとの声もチラホラ・・・
2013年5月に大きな下落があった時の4月にこんな声が聞こえていましたが・・・」。
そんな免罪符も登場してきた。
ファーストリテが買い気配、神戸鋼が売り気配。
これが暫定SQ値の発表を少し遅らせる原因となった。
その暫定SQ値は20957円62銭。
ちなみに9月メジャーSQ値は19278円。
昨年7月のSQ値が20055円だった。
相当な差となってきた。
「ほら、やっぱり」というのは小売りの回復。
日経朝刊では「百貨店、宝飾伸びる」。
そして「株価上昇、富裕層動かす」。
「株高による資産効果」という久々に聞く声。
「日経平均が2万円を付けた6月頃から伸びが顕著」と高島屋の社長のコメント。
低所得者層へのバラマキは重要であることは間違いないは景気寄与度は少ない。
富裕層の動向こそが景気を左右するのが現実。
ポピュリズムでは残念ながら景気は良くならない。
嫌われるからあまり指摘されないが、これも現実。
税金をたくさん払っている人からまず減税するなんて発想は出てこないものだろうか。
「消費増税凍結で今後生まれる人ひとりの負担は541万円ずつ負担増」。
計算上はそうかも知れない。
でもあくまでも計算。
経済・景気は生き物だという感覚も重要だろう。
明るかったのは森記念財団都市戦略研究所の調査による世界の年の総合力。
1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位が東京。
為替の円安で「経済」分野が後退したのはご愛嬌だが文化・交流や交通・アクセスが得点。
日本側の調査だからゲタはあるかも知れないが何となく復活感。
ひょっとして「24時間働けますか」の感覚が戻ってくるのだろうか。
NYダウは31ドル安の22841ドルと3日ぶりの反落。
NASDAQは12ポイント安の6591ポイント。
S&P500は4ポイント安の2550ポイント。
ダウ輸送株指数は61ポイント高の10038ポイント。
逆行高で初めて1万ポイントを突破。
3市場の売買高は56億株。
CME円建ては大証比30円高の20980円。
ドル建ては大証比65ポイント高の21015ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比10円高の20960円。
ドル円は112.27円。
10年国債利回りは2.323%。
非公式外資系5社動向は売り450万株、買い1050万株。
金額ベースは11億円の買い越し(2日ぶり)。
売りは陸運・自動車・精密・銀行セクターなど。
買いは機械・電機・REIT・通信・薬品セクターなど。
売買交錯は情報通信・証券・薬品セクターなど。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
グレイステクノロジー(6541)・・・動兆
グレイステクノロジーに注目する。
同社は産業機械マニュアルの作成、管理、運用システムや企画、翻訳サービスが中核。
マニュアル受託は好調。
新規材料は2つ。
一つは三井住友ファイナンス&リースとの戦略的業務提携。
スマートパートナー(製作費用立て替えサービス)での受注増に期待感。
そしてAI(人工頭脳)を用いた修理マニュアルの研究開発の進展。
企業のコストダウンや誤作業防止につながり将来の期待感。
紙のマニュアルを棄て電子化することの一歩先の話。
近未来の製造業の未来を創造する完璧なトップランナーと見る。
(兜町カタリスト櫻井)
