今週は堅調となった。米国では議会証言のパウエルFRB議長の発言がタカ派色の強いものとなり、市場は次回FOMCでの利上げ幅が0.25%ではなく0.5%になる可能性を強く意識した。ただ、これを受けて米国株が大幅安となった際にも日経平均は上昇するなど、日本株は落ち着いた反応を見せた。バリュー株を中心に個別物色が盛り上がり、TOPIXは昨年来の高値を更新。日経平均も節目の2万8000円や2万8500円を突破して、昨年11月の高値を上回った。週末10日は米国で地銀株が暴落したことなどを嫌気して大きく売られたものの、木曜までの貯金が大きく、週間では上昇した。日経平均は週間では約216円の上昇。ただ、週初にギャップアップスタートとなって週末に大きく崩れたことから、週足では陰線を形成した。
来週(13-17日)の日経平均株価は、しっかりとした展開か。
バリュー(割安)株物色が指数の下支えになる可能性があるだろう。
14日に注目の米2月CPIが出てくるほか、この日以降にも米国の指標発表が多く、これらの内容に一喜一憂することになるだろう。
ただ、パウエル議長の議会証言を経て、市場は次回FOMCでの0.5%利上げを織り込みつつある。そのため、指標が軒並み強かった場合でも、それを理由に米国株がパニック的に売られる可能性は低い。国内では売り出しを発表したゆうちょ銀の値決めが13日~16日の間に発表される予定で、これに向けた換金売り需要が全体の上値を抑える可能性はあるだろう。
しかし、今週、日経平均は2万8500円を上回る場面があり、TOPIXは昨年来高値を更新してきたことから、押し目があれば買い遅れた投資家からの資金が入ると考える。9日までの強い上昇に対する小休止のような形で、利益確定売りをこなしながら底堅く推移する週になると予想する。
低PBRや低ROE(自己資本利益率)を是正する取り組みが、投資家の間で注目されている。ゴールドマン・サックス証券では、アジアと欧州の投資家との意見交換に基づく最近の顧客向けメモで、過去最高に達した自社株買い、増配、企業再編策などに関する最近の報道は、大きなポジティブ・サプライズとなっている」と報告した。東証プライムでPBR1倍を割る銘柄はまだ半分程度あることから、株主還元拡充や新たな成長・投資戦略への期待買いの余力は残されているとみられる。
■上値・下値テクニカル・ポイント(10日現在)
29303.65 ボリンジャー:+3σ(13週)
28785.42 ボリンジャー:+3σ(25日)
28640.39 ボリンジャー:+2σ(26週)
28623.15 新値三本足陽転値
28564.09 ボリンジャー:+2σ(13週)
28425.29 ボリンジャー:+2σ(25日)
28280.95 6日移動平均線
28143.97 ★日経平均株価10日終値
28065.15 ボリンジャー:+1σ(25日)
28020.08 均衡表転換線(日足)
27941.18 ボリンジャー:+1σ(26週)
27890.44 均衡表基準線(日足)
27824.54 ボリンジャー:+1σ(13週)
27705.01 25日移動平均線
27689.37 均衡表雲上限(週足)
27548.18 均衡表雲下限(週足)
27347.43 200日移動平均線
27344.88 ボリンジャー:-1σ(25日)
27313.38 75日移動平均線
27241.97 26週移動平均線
27241.45 均衡表転換線(週足)
27178.38 均衡表基準線(週足)
27084.99 13週移動平均線
27082.09 均衡表雲上限(日足)
26984.74 ボリンジャー:-2σ(25日)
26886.50 均衡表雲下限(日足)
26624.61 ボリンジャー:-3σ(25日)
26542.76 ボリンジャー:-1σ(26週)
下落は6営業日ぶり。ローソク足はマドを空けて下落し、2日連続陰線で終了。昨日はマド空けを伴って上昇しており、「宵の明星」を形成した。週足で胴体部分と下ヒゲが短く、上ヒゲが長い「卒塔婆」を描いたこともあり、下落局面入りが警戒される。一目均衡表は日足ベースで三役好転下の強気形状をキープし、週足でも三役好転が完成したが、来週3月14日に日足の変化日を迎えるだけに、地合いの急変リスクへの留意が必要となろう。
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