おしゃれなカラス

株式市場は玉石混交、魚目混珠、多様多彩な場所。
先週「白い鴉」というドラマを見ていて得た教訓はイソップ寓話の「おしゃれな鴉」。

神様は、最も美しい鳥を王様に決めることにした。
カラスは自分の姿は黒く醜いと思い込んでいた。
美しく装うために、他の鳥たちが落とした羽を拾い集め、身体中に貼りつけた。
鳥たちは神様の前に集まり色とりどりの羽で着飾ったカラスも姿を見せた。
神様はカラスの羽が最も美しかったので王様にしようとした。
すると他の鳥たちは異議を申し立てた。
そして見覚えのある自分の羽を鴉から引き抜いた。
結局カラスに残されたのは黒い羽だけだった。
「カラスが自身の黒い姿を受け容れ、その黒い羽に磨きをかけていれば、結果は違っていたかもしれない」というのがエンディング。
ウィキペディアによればその教訓は「どんなに着飾ったり見た目を良くしても、上辺だけの嘘や偽りはなんの意味もない。
己を受け容れ、己で努力することが大切。
他人の力でのし上がろうと企めば、初めは良くても、後には必ず暴かれる」。
株式市場では意図せずしてこういう「おしゃれなカラス」に仕立て上げられたものもなくはない。
その真贋を見極めるのが投資する側の責務。
みかけの美しさは得てして中身の貧弱さの対極にあることは多い。
必要はことは「本質を見極めること」。
好材料、悪材料さまざまな材料で飾り立てられた解釈を素直な自分の解釈に翻訳することが重要だ。
 
 
日経朝刊では「キャッシュレスが経済を押し上げる1つのキーワードになりつつある」。
スマホの普及率は7割超。
電子マネーを持つ世帯が5割以上に拡大。
外食や小売業での人手不足や訪日外人客がキャッシュレス化を後押し。
東京都だけで2兆円もの経済効果との試算もあるという。
日本のキャッシュレス決済比率は2016年で20%。
5割を超える中国や韓国に及ばないが政府は今後10年で4割にする目標を掲げた。
「キャッシュレス化を急ぐのはそこに宝が眠るから」。
時間と空間の無駄を弾くための時間はそんなに要らないだろう。
長い間親しまれた財布はいつの間にかカードケースに取って代わられているに違いない。
これも進化の流れだろう。
 
公募投信の昨年末の純資産残高は111兆円。
2年ぶりに過去最高を更新した。
「現役世代が手掛け始めた長期の資産形成の受け皿が育ってきた」との解釈。
しかし・・・。
年間で15%の増加で株式投信の増加額は14.9兆円。
運用改善による増加額は11兆円(74%)。
結局値上がりが純増の背景だというのが当たり前過ぎるが・・・。
 
悲しいニュースはサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコのIPO。
国外市場の候補はニューヨーク、ロンドン、香港。
東京証券取引所は落選したことになる。
外国人が取引の7割も占める市場ならば、NYとロンドンがあれば事足りるのは自明の理。
もっとも雑音に惑わされることがないだけ東京の優位性は高まるかも・・・。
 
大和のレポートは「総選挙翌年の株高」。

2000年以降の1~3月期の日経平均の騰落率。
上昇確率は5割をようやく上回る程度。
平均の騰落率でもわずかなプラス。
しかし・・・。
今年と同様に、前年に総選挙があった年の1~3月期の上昇確率は8割以上(5勝1敗)。
平均の騰落率も大きなプラスとなっている。
総選挙の実施直後の予算編成は公約実現のために受け入れられやすい政策の議論が進むことが背景との解釈。
2019年消費増税に向けた経済環境整備のための積極的な政策議論期待。
 
 
バイオ銘柄に対する市場関係者のコメント。
言い得て妙だ。

バイオは5年ぶりの本格相場!?
夢はあるけど、開発費がない=「陸王」、こはぜ屋応援相場!?
「相場の醍醐味、華は変化率。
地獄から生還する銘柄は大きく買われる」とも。

(櫻井)。

株ちゃんofficial xはこちら!
目次