[概況]
今週の外国為替市場は、米ドル円の戻り相場がどこまで続くのかと、米雇用統計に注目したい。このところの米ドル円は、米国の早期利下げ観測や米中貿易交渉の停滞により下げ基調が続いていたが、週明けは50銭ほど上に窓を開けてスタートするなど、基調反転の兆しが出始めた。
理由は、先週末のG20や電撃的な米朝首脳会談が好感されたからで、週前半の米ドル円はこれらの材料に支持され堅調な相場付きになるのではないだろうか。問題は上値の目処だが、ひとまずは109.00円辺りが短期的な目標となりそうだ。なぜなら、同水準は心理的な節目であることに加え、4/24高値からの下落に対する38.2%戻しの水準であるため、目安としている投資家が多いからである。
しかし、仮にそうした上昇があったとしても、週末の米雇用統計によって状況は一転する可能性がある。つまり、先述のように米利下げ観測が高まっている現状において、仮に雇用統計が弱かった場合は、下落の方向へ過剰に反応しやすいということだ。というわけで、今週の米ドル円は週の前半は上昇が期待できる一方、週末の米雇用統計の結果によっては再び下落へ転じる可能性があるため注意したい。
[提供:カネツFX証券株式会社]
