『志』追求型銘柄分析

少しバブルの香りや匂いがするのは気のせいだろうか。

日経朝刊マーケット面の見出しは「負債活用企業、買い集まる」。
ソフトバンクを代表例にして「DEレシオ」が50%以上と高い企業の株価パファーマンスが良いとの指摘。
DEレシオは有利子負債÷自己資本。
フツーは「負債の増加」は財務体質の悪化で株価的には好まれない。
しかし「財務レバレッジの活用で自己資本利益率(ROE)の改善効果」が幅を利かせ始めた。
ソフトバンク392%、パナソニック72%、三菱ケミ155%。
膨張経営を評価できる相場になってきたということは心理的にはややバブルの感。
厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率は1.48倍。
前月比0.03ポイントの上昇。
80年代バブルのピークである1990年7月が1.46倍。
これを上回った。
高度成長の末期1974年2月の1.53倍以来、43年2カ月ぶり。
この数字もさることながら正社員に限った有効求人倍率は0.97倍。
2004年以降最高で1倍を超えることも想定され始めた。
2012年〜16年に非正規社員は11%増加したが正規社員は0.7%増。
バブル期に年4%増加していた給与は0.5%程度の伸びでしかなかった。
人が足りないのは建設、介護、輸送・機械運転など。
これがもっと拡大していくのだろう。
みずほ証券が新人社員の給与を最大15%上げるというのも、先駆け的現象なのかも知れない。

週末の金沢でのIRでのティア(2495)富安社長のコメントは「『志』追求型経営」。
「非財務指標の一番大切な指標」そして「かなりいい言葉」と書いた。
ふと考えてみると、数ある市場の中で「志」を問えるのは株式市場だけではなかろうか。
FXやコモデティの空疎で無味乾燥な相場観とは違って株式市場の見通しは比較的ウェットで感情が込められる。
「志」応援団なんて存在は他市場には存在しない。
「ドル円が200円になるのが志」なんて声は聞かれない。
「原油がバレル100ドルになるのが志」なんてこともない。
ところが株式市場だけは、経営理念や成長戦略、未来予想図が重要視される。
この違いは大きい。
個人的には、だから株以外の世界には親近感が湧かないのだろうか。
これからは「『志』追求型銘柄分析」を標榜していくのも良いかも知れない。

「騰落レシオのピーク直前の1週間での物色傾向が継続する可能性」と大和のレポート。

東証1部の騰落レシオ5月24日に164.6%に達した。
株式物色については対象が絞り込まれる展開となってこよう。
昨年12月に今回とほぼ同じ水準まで騰落レシオが過熱した前後での株式物色傾向を検証。
12月15日の騰落レシオのピーク→日経平均が当面のピークとなった今年1月5日までの上昇率上位業種。
騰落レシオのピーク直前の1週間で上昇率上位だった業種と多くが重なっている。
騰落レシオピークアウト後の絞り込み物色の候補は、同レシオのピーク直前に既に示唆されていた。
5月24日の騰落レシオのピークまでの1週間の上昇率上位業種

その他金融・鉄鋼・その他製品・パルプ紙・海運・食品・水産農林・陸運・鉱業・非鉄
大型株中心の主力セクターが相対的に少ないことも昨年12月前後の物色傾向と共通
あるいは高値もみ合いのあとは「モメンタム相場・値幅取り相場」と言う指摘もある。
グロースセクター、電気・半導体、通信、小型、機械などのセクターも中核になるのかも知れない。

(櫻井)。

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