NY株式市場は独立記念日で休場。
欧州株式市場はほぼ変わらず。
「中国で米半導体大手マイクロン・テクノロジー販売差し止め処分となったことを受け、半導体株への売りが膨らんだ」。
これは昨日の東京市場と一緒だ。
米国による対中追加関税措置の発動が6日に迫り、警戒感は高まっている。
WTOはG20の貿易制限に関する報告書を公表。
「主要国による貿易障壁が世界の景気回復を損なう可能性がある。
悪影響がすでに表れ始めている」とした。
「金融危機を乗り越え、世界経済がようやく持続的な勢いを取り戻し始めている矢先。
貿易制限措置の拡散で不透明感が強まれば、経済の回復を損ないかねない」は当然の声だろう。
トランプ大統領が噛み付くかどうかが課題だ。
一方で中国財政省は「対米報復関税について中国側が最初に発動することはない」と表明。
両国は12時間の時差があることから、実際には中国政府が先に関税を課す可能性があることは否定できない。
いずれにしても6日の帰趨が相場の行方のキーポイントだ。
水曜の日経平均株は3日続落。
3日間での下落幅は587円だ。
安値は21604円で火曜の安値215744円は下回らなかったのは救いだろうか。
日足は4日ぶりに小幅陽線となったが7月に入って勝ちなしが続いている。
日足の上ヒゲ・下ヒゲはともに長く「投資家の気迷いの表現」と解釈された。
一目均衡表の雲下限(21698円)が支えとなった。
一方、ボリンジャーバンドのマイナス2σ(21778円)が上値を抑えた格好だ。
東証1部の売買代金は2兆1275億円と前日比15%減少。
引け際に2000億円ほど増加して一応2兆円台は確保した。
新高値銘柄数8(前日9)、新安値銘柄数414(前日443)と2日連続の新安値銘柄400超だ。
「3日続落・3日連続の200日線割れだったがTOPIXだけがプラスに転換して面目だけは保った」との声が聞こえる。
25日線(22453円)からのかい離はマイナス3.3%。
200日線(22128円)からはマイナス1.9%。
騰落レシオは85.33%。
Quick調査の6月29日時点の信用評価損率は▲11.57%と3週連続の減少。
同裁定買い残は2079億円減の1兆8172億円。
裁定売り残は411億円増の8167億円(3週連続増加)。
裁定解消と裁定売りが株価の大きな下落要因となっていた。
これが終われば外部材料に翻弄されない自立反発に向かう可能性も高い。
空売り比率は45.5%。
12日連続の40%超は4月以来だ。
日経VIは19.99%と低下。
日経平均採用銘柄のPERは13.00倍と上昇したがEPSが1670円に低下しただけのこと。
225先物大証夜間取引終値は日中比30円安の21670円。
月足陽線基準の21811円復活が早急に望まれる。
6日株安の特異日と9日株高の特異日のリズムという特殊なリズムの真っ只中。
気学では「よく動く日。足取りについて駆け引きせよ」とあまり参考になりそうもない。
「空売り比率で40%超が12営業日連続。
3~4月にかけても49%超が12営業日連続でした。
4月も2日新甫となっており12営業日連続となった日は4月4日。
40%超の連続記録がストップしたら、上昇トレンドへ。
日足チャートの形は、4月とは違っていますが・・・」と俊敏な市場関係者。
日経朝刊では訳のわからない記事が2つ。
一つは「企業のIR見直しを」の見出し。
経産省が「ESG対応促す」というのがサブ見出しだ。
ESG(環境・社会・企業統治)への独自性のある取り組みを経産省が要求。
同省がまとめた提言のなかで「ESG分野への配慮をアピールする企業は増加。
しかし、自社の優位性に結びつけた説明が出来ていない」と批判している。
「経営者が自分の言葉で自社の強みや他社との違いを明確に投資家と議論すべき」。
これは間違ってはいないが、多くの企業はそうなっている。
経産省がそうでないと思うのはどうしてなのかは不可解だ。
それよりも、ESGで独自性を出せとはいうものの具体論はない。
そもそもESGで企業の優位性が出るものかどうかは疑問だ。
環境に配慮して、社会貢献して、ガバナンスをはかる。
お題目としては立派だが、コストばかりかかってそれが利益に結びつくかどうか。
企業にとって根源的に重要なのは売上と利益。
儲けられない企業が学問チックなお題目に煽られてさらに儲けられない。
そんな笑えない構図もある。
そもそも・・・。
経産省が口を出す分野なのだろうか。
財務省が何も言わないからと言う理由があるにしても不自然だ。
もっとも経産相はNTTの広報出身。
このあたりが関係しているのかも知れない。
それにしても・・・。
経済産業省に経済産業政策局企業会計室があるとは知らなかった。
もうひとつは「投信で損失、個人の半数」の見出し。
金融庁が投信を販売する銀行に実施した調査の結果である。
「過度な分配金や短期の売買で十分な運用収益を得られず長期の資産形成に結びついていない」。
これは制度や仕組みが悪いわけではない。
販売の現場の問題だろう。
もちろん「長期投資」というものがこの国では根付いていなかったという現実もある。
この調査は時間軸を5年以上としている。
しかし10年あるいは20年という時間軸にしたらどうなのだろう。
逆に言うと、30~50%儲かった投資家層は全体の15%程度。
10~50%儲かった投資家層は35%だ。
一方30~50%損して投資家層は数%。
10~50%損した投資家層は10数%。
多くの損失は10%以内の損失で35%となっている。
何か微妙な調査結果のような気がしてならない。
◇━━━ カタリスト━━━◇
ラクオリア(4579)・・・動兆。
ラクオリア製薬に注目する。
同社は新規開発化合物の導出が中核の創薬ベンチャー。
米国犬用変形性関節症薬など動物薬2種が拡大基調。
名古屋大学に創薬協同研究センター設置。
選択的TRPM8遮断薬(アザスピロ誘導体)の物質特許が米国で特許査定を受けたことは好感。
(兜町カタリスト櫻井)
