週末のNY株式市場で主要3指数は下落。
背景はトランプ大統領が中国に新たな関税を課す可能性に言及したこと。
トランプ大統領は「中国側の動き次第で、2000億ドル規模の中国製品に対する関税措置が近く発動される可能性がある。
その後、私が望めば、さらに2670億ドル相当の追加関税を急きょ発動する用意がある。
そうなれば、状況は一転するだろう」と語った。
また引け前にアップルが対中関税措置の対象にアップルウォッチなど一部製品が含まれる恐れがあると明らかにしたこと。
「米国が大きな痛手を被るというのが、関税を巡るわれわれの懸念。
米国の成長や競争力の低下を招き、米消費者にとっては価格上昇につながる」というのがアップルのコメントだ。
週間ベースではNYダウが0.19%、S&P500種が1.03%、NASDAQが2.55%下落。
8月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が20.1万人増で着地。
市場予想の19.1万増を上回った。時間当たり平均賃金は前年比で2.9%上昇。
2009年6月以来8年ぶりの高い伸びを記録した。
失業率は前月から横ばいの3.9%。
「市場では今月のFOMCでの利上げが完全に織り込まれている」との見方だ。
10年国債利回りは2.9%台に上昇(価格は下落)。
12月の追加利上げ確率は雇用統計公表前の67%から79%に上昇した。
ドルは幅広い通貨に対して上昇し、ドル円は111円台前半での推移。
「仮に貿易戦争を巡る発言が続き、米国が2000億ドル相当の中国製品に追加関税を課せば、
安全資産としてのドルに追い風が吹く」という見方もある。
気にかかるのはトランプ米大統領のもう一つの発言。
「日本と貿易交渉を始めた。
仮に物別れに終われば、日本側が一大事になることを認識している」。
カナダ・中国に加えて矛先が向いてきた印象だ。
週末の日経平均は「踏みとどまった」格好ながら6日続落。
136円安でスタート。
「トランプ大統領の貿易戦争の次の標的は日本」と報じられたことが投資家心理を冷やし一時は315円安の22100円台まで下落。
ただ下値では押し目買いから何とか22300円台をキープ。
後場寄りから下を試しに行ったが、売り崩されることはなく下ヒゲをつた形。
25日線や200日線は明確に下回ったが、52週線や26週線はキープ。
米国とカナダの貿易交渉がまとまらなかったこと。
不祥事発覚で不動産関連株が下落。
大型台風が関西圏を直撃。
北海道では大地震が発生。
トランプ米大統領が次の貿易戦争の対象国が日本になる可能性を示唆。
悪材料満載の「泣きっ面に蜂」の週だった。
「23000円ブレークは4度目の失敗となった。
しかし6日続落した割には中期チャートは崩れていない」という声もある。
TOPIXは日経平均に比べると形が悪い。
終値は1684.31。8月安値1667や3月安値の1645に迫ってきた。
東証1部銘柄は今週全営業日で値下がり銘柄が1000を超えた。
日経平均は週間では約558円の下落。週足は4週ぶりに陰線。
NTレシオは13.24倍。
騰落レシオは83.32%と低下。
空売り比率は45.4%と30日連続の40%超。
日経平均採用銘柄のPERは12.84倍で3日連続13倍割れ。
EPSは1737円だ。
シカゴ225先物終値は大証日中比50円安の22345円。
8日続伸のあとの7日続落は避けたいところ。
NYダウは79ドル安の25916ドル。
NASDAQは20ポイント安の7902ポイント。
S&P500は6ポイント安の2871ポイントと続落。
ダウ輸送株指数は19ポイント高の11347ポイント。
3市場の売買高は62.5億株。
CME円建ては大証比35円安の22345円。
ドル建ては大証比30ポイント安の22350ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比50円安の22330円。
ドル円は111.05円。
10年国債利回りは2.938%と上昇。
◇━━━ カタリスト━━━◇
朝日ラバー(5162) ・・・動兆。
朝日ラバーに注目する。
同社は自動車内装照明向けLED用ゴム、家電用高精密、医療、スポーツ用ゴムが中核。
車載品が好調。
ライフサイエンス分野での製品開発進行。
超薄膜シリコーンシートの再生医療で使用される細胞培養基材への採用を目指している。
2020年頃に製品化目指すという。
(兜町カタリスト櫻井)
