「12年前」
「11月の3連休明けは高い」。
あるいは「11月最終日を含む週の株高」。
「タマゴが上がると株も強い」という個人的アノマリー。さまざまなものがある。
フツ─に考えれば、ドルで運用できて株価の堅調な市場へとマネーが向かう筈。
あえて海の向こうの東京市場へ出かけて行こうなんてことは、米国の強烈な内向き投資家にとっては考えられないことになっているのかも知ない。
機関投資家は分散投資なんてことを言う。
個人投資家にとってはどこの世界の話?なんていう感じだろうか。
この温度差はけっこう縮まらないのかも知れない。
こちらが思うほどあちらは思っていないという現実。
政治も軍事にも当てはまるだろうが、株式市場にも該当するだろう。
だからこそ・・・。
自分の市場は自分で形成しなければならないということになってくる。
海外のファンドなどが垂涎の的としている個人金融資産2000兆円の活用法が言われ始めて久しい。
戦後の貯蓄増強運動に端を発した資産形成の動きの結果のトラの子。
「眠った資産」なんて言われ方をして何とかリスク資産へと導こうとする動きは何度もあった。
もともと臆病な資産を活用しようなんて無理筋のシナリオは捨てて、
かつてのように金利で報いる方がよほど気が利いているかもしれない。
逆説的だが市場の閉塞感の一端なのかも知れません。
いい加減に金利を奪取する世界から脱却できないものだろうか。
往ったり来たりの株価動向。
300円下げれば300円戻し、100円上げれば100円の下げ。
往来相場と表現される。
そのうちに往来が「オーライ」に変化して欲しいもの。
誰に「オーライ」というのかは微妙だが・・・。
いい加減に茶番に気がつくつもりは市場にはないのだろうか
騒いだ挙句にすぐに忘却はいつものこと。
「ゆらり揺らめいて、そしよあたしはダンシングドール」はメモリーグラスだけではない。
まさに米雇用統計の印象。
「キラキラと輝くグラスにはいくつもの嘘が溶けているの」で括られそう。
そういえば、政府機関の一時閉鎖でいい加減さが増した2012年の米雇用統計10月分。
発表は1週間遅れた。
結果は20万人増での着地。
市場予想は12~13万人程度だったから多少はサプライズ。
これを演出というのかどうかは微妙。
9月分は14.8万人→16.3万人、8月分は19.3万人→23.8万人に上方修正。
9月に金融緩和の縮小をしたくなかったから低めの設定。
9月を通過したので元に戻したなんて穿った見方もできなくはない。
そして政府機関の一部閉鎖での一時帰休した職員の雇用は維持との解釈。
一方失業率では一時帰休は失業との解釈。
この首尾一貫していない姿勢は興味深かった。
12年前も同じことを言っていた。
雇用減少→金融緩和維持→株高。
雇用増加→金融緩和縮小→株安→景気実態良好観測→株高。
このねじれた解釈こと真骨頂だろうか。
(櫻井)。
