「飼葉がなければ馬も走れない」
NY株式市場はマチマチの動き。
今期見通しへの失望で半導体大手インテルが引け際に下落幅を拡大し2.5%安。
この影響でNYダウは引け際に上昇幅を縮小したがかろうじてプラス。
NASDAQとS&P500は3日続落。
政府は2000億ドル相当の中国製品に対する関税を米東部時間10日に25%に引き上げると官報で発表。
一方でサンダース報道官は「中国が通商合意の実現に意欲があることを示す情報を入手した」とコメント。
トランプ大統領は「中国交渉団合意に向け訪米する」とツイート。
貿易闘争に巻き込まれた市場を翻弄した格好だ。
10年国債利回りは一時5週間ぶりの低水準となる2.426%を付けた場面もあったが2.48%台。
ドル円は110円台前半。
9日から再開する米中通商協議を前に様子見ムードが拡大した格好だ。
中国の4月の貿易統計は輸出が前年同月比2.7%減と予想の2.3%増に反して減少。
輸入は前年比4.0%増と予想の3.6%減を上回り5カ月ぶりの増加。
欧州株式市場は反発。
英国はEU議会選に参加の方向だがブレグジット問題は完全に蚊帳の外。
米上院情報委員会はトランプ米大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏に召喚状を送付。
ロシアの大統領選干渉疑惑に関する質問に回答するよう要求。
またNYタイムズはトランプ大統領が8年間納税していなかったと報道。
理由は不動産ビジネスによる損失が約1300億円あったこと。
やはり「マーケットは一つのことしか見えない」という場であることが明確だ。
令和2日目の日経平均は続落。
NYの473ドル安を受け日経平均は寄り付き295円安、終値321円安。
かろうじて22600円台をキープした。
始値まであと26円まで戻してきており日足陽線の可能性もあったのは事実だ。
ただTOPIXは3月月中平均を割れ込み1572ポイント。
日経平均は連日で300円を超える大幅下落。
4月に約1052円上昇。
5月は2日で約656円下落。
「悲観に傾きすぎの感はあるが悪材料にもろいことを露呈」という見方だ。
東証1部の売買代金は2兆7476億円と細った。
前日とほぼ同じ300円超の下落ながら売買代金は15%減。
「買い板が薄い。売り方が本気ならもっと下がったはず」という声が聞こえる。
「さらに売り叩こうという雰囲気にはない。
だから怖いのかもしれないが結局は米国時間10日午前零時1分まで動くに動けない」という指摘もある。
値上がり287銘柄、値下がり1804銘柄。
新高値29銘柄、新安値287銘柄。
騰落レシオは82.34まで低下した。
25日線(21857円)は明確に下抜け。
13週線(21485円)や26週線(21254円)など週足の節目まで下げ止まるかが目先の焦点。
NTレシオは13.76倍。
25日線からは1.2%、200日線からは1.3%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲9.296%。
買い方▲11.032%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲13.605%。買い方▲16.734%。
空売り比率は46.1%で40日連続40%超。
空売り規制なし銘柄の比率は9.6%。
日経HVは11.1、日経VIは20.96まで上昇。
日経平均採用銘柄のPERは12.34倍でEPSは1750円。
PBRは1.10倍に低下。
シカゴ225先物終値は大証日中比55円安の21525円。
高値21675円、安値21415円。
ポイントは3月29日の21267円までのマド埋めの有無。
21000円でPERは12倍割れとなってしまうがソコまでの可能性は薄いと見たい。
あと少しで25日線(21857円)が200日線(21886円)を抜けるところまで来ていた。
見果てぬ夢になって欲しくないものだ。
勝手雲の下限(21659円)は割れ込んだ形。
昨日もサポートとなったボリンジャーのマイナス1σが21505円。
マイナス2σが21153円だ。
今年5勝11敗の木曜日。
気学では「下げ来りて尚安きは小底となる日」。
金曜は「後場へかけて急伸することあり。押し目買い」。
「飼葉がなければ馬も走れない」と考えたいところ。
トランプ大統領の挙動は「滑稽と悲惨の同居」でもある。
米中貿易摩擦に関するある考察が興味深い。
米国経済は、個人消費を中心に堅調。
2000億ドルに25%の関税が加わると輸入物価の上昇を通じて米消費に悪影響を与えるとの見方もある。
しかし中国から輸入製品500億ドルに25%、2000億ドルに10%の関税がかかっても、米国の物価にはほとんど影響はなかった。
むしろ上がらないインフレが心配されるほどだ
「もし、貿易戦争で米経済に大きな悪影響が出れば、FRBに利下げさせればいいとトランプ大統領は考えているのではないか」。
加えれば・・・。
「もし日本経済が悪化するようならば消費増税を再々延期すればいいと安倍首相は考えているのではないか」。
一番の興味は、訪米する菅官房長官。
副大統領の部屋にトランプ大統領が偶然現れるのかどうか。
「バイ・マイ・スガノミクス」とは言わないだろうが・・・。
日経朝刊に「3月期決算集計状況」。
8日時点では全体の23.2%が通過。
売上高は△6.3%、同経常利益は▲0.4%、同純利益は▲5.3%。
第3四半期時点では売上高は△5.1%、同経常利益は△2.0%、同純利益は▲1.4%だった。
2020年3月通期見通し。
売上高は△0.9%、同経常利益は△0.8%、同純利益は△4.3%。
昨日時点で通期見通しは悪くない。
NYダウは2ドル高の25967ドルと小幅反発。
NASDAQは20ポイント安の7943ポイントと続落。
S&P500は4ポイント安の2879ポイントと続落。
ダウ輸送株指数は32ポイント安の10638ポイント。
SOX指数は0.79%の下落。
VIX指数は19.59。
3市場の売買高は70億株。
225先物CME円建ては大証日中比55円安の21525円。
ドル建ては大証比35ポイント安の22545ポイント。
大証夜間取引終値は日中比50円安の22530円。
ドル円は110.10円。
10年国債利回りは2.485%。
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